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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
6/206

洞窟の赤鬼

 レオは木の剣、ドーマは木の弓、ネネカは木の枝を持って、彼ら4人は冒険に出た。目的地は町の少し遠くにあるゴブリンの洞窟だ。


「それにしても、ずいぶん凄い世界に来たもんだよなぁ?」


 アランは辺りを見渡し、歩きながらレオに口を開いた。草原を駆ける風が涼しい。


「まあね。でもこれは校長先生が僕達のために用意してくれたんだから、それなりに感謝の気持ちを持たなきゃね。」

「レオさん、アランさん、デカハム3匹がこちらに向かってきますっ!」

「ん?……っ!!」


デカハムが3匹現れた。


「おお、来たか来たか!」


レオの攻撃!デカハムAに6のダメージをあたえた。


ドーマの攻撃!矢がデカハムに命中!!デカハムAに5のダメージをあたえた。デカハムAは倒れた。


アランの攻撃!デカハムBに12のダメージをあたえた。デカハムBは倒れた。


デカハムCの攻撃!レオは2のダメージを受けた。

ネネカは身を守っている。


レオの攻撃!デカハムCに8のダメージをあたえた。


ドーマの攻撃!デカハムCに3のダメージをあたえた。

デカハムCは倒れた。


経験値6 12セリアを獲得!アラン、ドーマ、ネネカはLv2になった。


「くっ…ちょっと苦戦したな。」

「まぁ、一気に3匹来たもんね。あ、3人とも、レベルアップおめでとう。」

「ああ。」


 アランの頷きに、レオは微笑んだ。


「さて、先に進もうか。」


 レオ達はまた緑が広がる大地を歩き始めた。初めての魔物との戦闘は緊張感があり、戦いが終わった後も手に少しの震えが残る。



ー30分後ー



「まだかぁゴブリンの洞窟はぁ……?だんだん疲れてきたぞ……」

「ドーマ、もう少し頑張ろう。洞窟に着いたら入り口付近で休もうよ。」

「あ〜ぁ、分かった分かった。」


 ドーマが面倒くさそうな顔をして言った。その時、目の前の草がガサガサと音をならして揺れた。


「あ、あれ!」


 ネネカがそう言って指をさすと、そこにはゴブリンが隠れていた。その姿は、まるで血で体を染めた鬼のようだった。


「よぉし、俺がボコボコにしてやる!」

「待って!少し様子を見よう。」


 レオはアランを止め、背の高い草に身を隠した。すると、そのゴブリンは辺りを見渡した後に、彼らの進行方向の右側へと歩き始めた。


「どこに行く気なんだ、あいつ?」

「……多分、あの洞窟ではないでしょうか…?」


 ネネカが指をさし、3人がその先を見ると、そこには洞窟があった。


「ゴブリンの洞窟だよ!バレないようについて行こう」


 レオ達は足音を立てないように、しばらくの間ゴブリンを追い、ようやく洞窟にたどり着いた。


「ここか…よし、少し休もう。」


 そう言ってドーマがバッグから薬草ジュースを3つ取り出した。レオはその数に首を傾げる。


「あれ?アランのは?」

「決まってるだろ?アタシがあんなヤツに渡すと思ったか?」

「おいテメェっ、俺のHPはどうしろって言うんだ!?」

「ハァ?そんなの、そこらへんに生えてる草とか食っときゃいいだろ?」

「ア?なんだとテメェ!?」


 そんな2人を見て、ネネカは静かな顔をしながらレオに口を開いた。


「本当に仲が悪いんですね、あの二人。」

「うん。でも、そこからどう絆が深まるかが魅力的なんだよね。人間って。」


 レオが微笑んでそう言うと、アランとドーマが同時にレオを睨み、口を開いた。


「「深まってたまるかっ!!」」

「……えぇ…………」





 アランとドーマの喧嘩が終わったところで、4人は洞窟の中へと入った。中は壁に刺さった松明の火で照らされており、多少薄暗いが足を止める事なく進む事ができた。しばらく歩くと、ベリアフとアルヌのパーティがHPがあと少しのところで壁にもたれて座っているのが見えた。8人の体や汚れた制服には、血飛沫のようなものが付いていた。


「みんなっ、大丈夫!?」


 レオの声にアルヌはゆっくりと振り向いた。


「ああ、…レ、レオか…Lv1の…お、俺達には、このダ、ダンジョンは、無理だ…。」

「無理しないで、はい、薬草。」


 レオはバッグから薬草を8つ取り出した。


「あぁ…すまない。」

「ありがとう……レオ…アラン…ドーマ……ネネカ……。俺達は…リタイアして…先に町に帰るよ。…ここから先……気を付けて行けよ。」


 アルヌとベリアフの言葉に、レオ達は優しく微笑んだ。松明が照らす4人の顔は誇らしく、前向きだった。


「うん。分かった。みんなも気をつけて帰ってね。」


 レオ達はベリアフ達と別れ、奥へと進んだ。すると、奥に何かの影が見えた。


ゴブリンが2体現れた。


レオの攻撃!ゴブリンAに7ダメージあたえた。


ゴブリンBの攻撃!アランは10ダメージを受けた。アランの頭から血が流れている。


ドーマの攻撃!しかし、攻撃を避けられた。


「チィッ!!」


アランの攻撃!会心発動!!!ゴブリンBに22ダメージをあたえた。ゴブリンBは激しく壁に体を叩きつけて倒れた。


ネネカの攻撃!ゴブリンAに2ダメージあたえた。


ゴブリンAの攻撃!ドーマは5ダメージ受けた。


レオの攻撃!ゴブリンAに8ダメージ受けた。ゴブリンAは倒れた。


経験値10 20セリア獲得!レオがLv3になった。レオは特技‟連続斬り‟を覚えた。ネネカ、ドーマはLv3になった。ネネカは魔法”レッシュ”を覚えた。ドーマが特技”みだれ矢”を覚えた。


「うぐっ!!」


 アランは壁にもたれて座り込み、少し血を吐いた。


「アラン!!大丈夫!?…まずい!HPが残り2しかない!!薬草は…。」


 レオ達はバッグの中を調べた。しかし、薬草はもうない。


「……ない…っ、どうすれば。」

「あの………」


 すると、ネネカは小さい口を開いて立ち上がった。


「今、私が覚えた魔法でなんとかなると思うのですが…。レッシュで。」

「回復魔法かも……やってみて。」

「はい……”レッシュ”…。」


 その時、ネネカの手とアランの体が緑色に光り出した。その光は暖かく、見ているだけで癒されるような優しいものだった。


「う…うん?」


 癒しの光が消えると、アランは立ち上がった。


「おぉ…痛みが消えたっ!!すげぇっ!!ありがとな、ネネカ。」

「え、いやあの…。」

「僕からも言うよ、ありがとう。」


 喜ぶ2人の顔を前に、ネネカは顔を赤くして小さく口を開いた。


「…い、いえ。偶然覚えた魔法なので…。」

「よし、アランも回復したことだし、先に進もう。」


 レオ達はまた先へと進んだ。しばらく歩くと、広い空間にたどり着き、彼らの前に巨大なゴブリンが現れた。


「……こいつがあの?」


 その時、巨大なゴブリンが大きな口を開いて鋭い牙を見せた。


「わが名はキングゴブリン。魔王様のしもべとして貴様達を殺す。おめぇら!殺っちまえぃ!!!」


 洞窟を揺らすほどの声が響くと、鉄の鎧に身を包んだナイトゴブリンが、10体同時に4人に走って来た。


「来る!!!」

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