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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
57/206

朝日を浴びて

 翌日、レオとネネカは旅の支度をし、宿を出て酒場に入った。並んだ大きくて綺麗な窓ガラスから溢れる朝日の光がどこか新鮮だった。カウンター席を見ると、奥のキッチンが見えるくらい空いた席に、ぽつんと二人が座っていた。カルマとオーグルだ。


「お、来たか。どうせ行くんならって事で、右手がマジかっけぇスペシャルゲスト連れてきたぞ〜。」


 カルマは二人の顔を見て、隣に座るオーグルの右手の義手を軽く叩きながら言った。


「おいカルマ、お前腕が無くなる時の痛み知らねぇだろ。かなり痛かったんだぞ。あと、スペシャルゲストとか言ってムダにハードル上げんな。まだ上手く使えねぇんだ、この腕。」


 オーグルはカルマの手を左手ではらった。オーグルの右手には以前とは違って、鎖が巻かれており、肘あたりから手の先にかけて、長く尖ったものが一本付いていた。


「オーグル、その鎖と槍みたいのは何?」

「あぁ…コレか、名前はスピア。投げて攻撃する槍で、鎖が繋がってるから自在に操ることができるんだ。投げたすぐに槍を引き寄せたり、刺さった所に移動できたり…」

「そんな武器が……す、すごいですね。」


 ネネカがスピアを見つめると、それを見たオーグルは頰を少し赤くして笑みを隠そうとした。


「お……おぅ……」

「じゃ、行きますか。秘宝を取りに。」


 カルマが言うとオーグルと同時に立ち上がり、四人でカウンターの前に立った。


「いらっしゃいませ。ご用件はなんでしょうか?」

「秘宝入手クエストはありますか?」


 レオが言うと、受付嬢はカウンターの隅に置かれた紙の山の中から一枚の紙を取り出し、四人の前に置いた。


「現在の皆様のレベルを考えると、こちらのクエストがおすすめです。」


 四人は前に置かれた紙を見つめた。紙にはこう書かれてあった。


<友人と外を歩いていたら、突然友人が砂の地面に吸い込まれてしまった。俺は怖くて逃げてしまった。その時、乾いているはずの地面はかなり湿っていた気がしたし、なにか強い力を感じた。誰でもいいから来てほしい。場所は、ギルシェとサラビアの国境辺りだ。依頼人:サラビアの冒険者>


「……強い…力……?」

「はい、それが恐らく秘宝かと。それに、環境が大きく変わることは秘宝持ちの魔物無しでは通常考えられません。」


 受付嬢は眉間に力を入れて言った。四人はしばらく紙を見つめると、軽く頷いて酒場を出た。そしてペガサスを四頭貸し出してもらい、地図を広げてサラビアへと飛んだ。

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