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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
52/206

暗黒の翼

 レオ達はギルシェに着くと、ペガサスから降り、町の門をくぐった。ギルシェの町は、黄土色の石造りの建物が並んでおり、微かに砂埃をあげている。


「へぇ〜、良い所じゃん。」

「とりあえず、城の兵士にハーピーの話を聞きに行こう。」


 レオが言うと、四人は城の方へと歩きはじめた。アランとネネカは町の教会や酒場などの建物を見ながら歩いている。


「あれ?右の外に見える古そうな神殿、どっかで見たことあるような…………」

「アランさん、パルテノン神殿じゃあないでしょうか?教科書にあった…」

「…………そんな名前だったっけ?俺分かんねぇ……」


 宿屋の前を通ると、町の住民のしゃべり声が聞こえた。


「聞いたか?俺の近所の子、行方不明になってからもう一週間経つんだってよ。」

「あぁ、その事か。気の毒だよな。一週間も子供の顔が見れないとか、親は相当ショックだろうよ。」

「なんでも、子供はハーピーに持っていかれたって聞いたぜ?町の兵士は動かないのかねぇ……」

「まったくだ。ダークネスの奴らがパーニズを襲撃してきてから、いろいろ変わっちまったよな。」


 レオ達はその話に耳を傾けながら、城の入り口にかけられた石造りの橋を渡った。すると、一人の兵士が四人の方へ歩いてきて声をかけた。


「君たち、冒険者か?何をしにギルシェに?」


 少し焦った表情で話す兵士に、レオは言葉を返した。


「はい。ギルシェのハーピーを討伐するクエストを受注しまして……」

「そうですか!受注してもらえるだけで感謝です!」


 兵士は、さっきと人が変わったかのように表情を明るくした。


「ど、どうも…………」

「んで、ハーピーはどこに?」


 ドーマは腕を組んで問いかけた。


「はい。あそこのパルティム神殿です。」


 兵士が指をさすと、四人は兵士の指す方向を見た。そこには、先ほどアランとネネカが見た、荒廃した神殿があった。


「あそこか………ありがとうございます。みんな、行こうか。」


 四人は兵士に浅い一礼をして町の門の方へ歩きはじめた。




 その頃、ダークネスの世界では、城の中で一人の男と一人の女が話していた。


「………光の階段はどれほどできている?」

「二十ほどできていますわ。何か気になることでも?」

「…………二十か……。まだまだ先だな……。」

「でも良いじゃない?あの子たちなりにがんばってることだし。………階段が完成するのはいつかしら?」

「………………さぁな。」

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