酒場の受付嬢
レオ達は食事を終えると、職業を決めるために、酒場のカウンターに行った。
「いらっしゃいませ!今回はどんなご用件で?」
カウンターに立っている受付嬢が口を開いた。
「えっと、職業を決めたくて。」
「そうですか。それでしたら、この中から決めてください。いつでも変えられるので、気軽にどうぞ。」
彼女はそう言ってカウンターの上に紙を出した。
戦士・・・攻撃力と防御力が高い
武闘家・・・攻撃力と会心率が高い
魔法使い・・・攻撃魔法を使う
僧侶・・・回復魔法を使ってパーティの傷を治す
盗賊・・・動きが素早く敵の物を盗む
アーチャー・・・弓矢や銃を使う
吟遊詩人・・・音楽と踊りで戦う
「僕は、戦士かな。」
「俺は武闘家にするぜ。」
「アタシはアーチャーにするよ。」
ネネカが黙っている。レオは声をかけた。
「どうしたの?そんな顔して。」
「私、人に感謝される職業につきたいです。…どれが良いでしょうか……」
不安そうな顔のネネカにレオは微笑んだ。
「それなら、僧侶が良いんじゃないかな?」
「…そうですか、でも私に出来るか心配で…。」
「大丈夫だよ、ネネカは気遣いとかできるから、きっとうまくいくよ。」
「…っ………そう…ですかっ……。じゃあ…それで。」
「よろしいですね?では、」
その時、全身に強い感覚がめぐった。それは、神にでも選ばれたかのような暖かさであった。
「こ、これは…?」
「はい!転職完了です。これから頑張ってください!」
そしてレオ達はクエストボードを見た。そこには大量の依頼が紙に書かれて貼られてあった。
「これは?もしかして、これ全部人の依頼ですか?」
「はい、数年前からトラブルが多くて。それをぜひ冒険者さん達に解決してもらおうという事で掲示しております。あ、もちろんクエストをクリアすれば報酬もありますよ。」
「へぇー、そのトラブルの原因は?」
レオは全て察していながらも受付嬢に問いかけた。
「はい。実はダークネスがこのライトニングの世界を襲撃してから、魔物が生息するようになりまして…」
「魔王の野郎っ、すぐに叩き潰してやるっ!!」
「待ってアラン!それで、その魔王のいる場所って?」
「あそこの海の上です。」
四人は遠くにある海の上を見た。そこには禍々しい色をした渦があった。
「あ、あれが…?でも、あんな高い所にあるのに、どうやって行くんです?」
「はい。特定のクエストをクリアすれば、報酬とは別に魔物があるアイテムを落とすと言われてます。」
「で、そのアイテムで何が起きるんですか?」
「あの渦へ行ける光の階段が、そのアイテム1個につき1段できるらしいです。」
レオはそれを聞くと、固唾を呑んでクエストボードに指をさした。
「このクエストお願いします!」
クエストLv1 洞窟の赤鬼