怒りと音色
「じゃあ、ライブを始めますか…。」
クレアは弾き語りをやめ、一息はいた。クレアの目線の先には、バインダイルに追いかけられるレオ達がいた。
「みんな、町が見えてきたよ!!もうひと踏ん張りだ!!」
「レオさん!!後ろ!!」
ネネカがレオに叫んだ。バインダイルは大きなルビーキャベツを持っているレオに太い根を伸ばしていた。
「おいレオ!!パス!!」
「頼んだ!!」
アランが大声で言うと、レオはアランにルビーキャベツを投げ、アランはそれを両手で受け止めた。
「チィッ、キャリオンクローラーよりはマシだが、こんなに大変だとは思わなかったな………」
4人が町の門に向かって必死に走っている頃、クレアはギターの弦を力いっぱい弾き、大きな音を出した。ギターの音に気付いた町の人々は、急いで門の前に走り出し集まった。
「おいクレア様だぞ!!」
「マジかよ!?」
「まさか、今から歌ってくれるのか!?」
「みんなを呼んで来い!!もうすぐ始まりそうだぞ!!」
「ゲリラだよゲリラ!!」
「やっぱクレア様は変わらずカワイイなぁ……………」
ギターの音が止む前に、クレアの後ろには大勢の人が集まり騒いでいた。
「みんなーー!!来てくれてありがとーーう!!今からクエストに手伝ってくれるかなーーー!?」
「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」
「それじゃあいくよーー!!”ドリームウィング”!!!」
クレアがギターを弾きはじめると、人々は音楽にのせてかけ声で応えた。
「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」
『君は今、どんな夢を見てるの?♪ 夢はそんなに小さくて良いの?♪もっと、大きな夢を見なよ♪夢は、大きな翼に のせて、広い空へ羽ばたかせればいいじゃないっ?♪』
「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」
「おい、レオ…歌始まってないか?」
「…………本当だねドーマ。みんな、あとちょっとだ。アランは大丈夫?」
レオは、ルビーキャベツを持って走っているアランに声をかけた。アランは汗を流しながら苦しそうな顔をしている。
「レオ……すまん、頼んだ!!」
アランはレオにルビーキャベツを投げると、レオはルビーキャベツを両手で受け止めた。
『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!』
「バインダイル、かなり怒ってますね………」
(レオ君、アラン君、ドーマちゃん、ネネカちゃん、あとちょっとだよ。がんばって。)『なんだよ?顔を上げなよ、雨が降ってるだけでそんな顔するなよ?♪歌鳥は今でも飛ぼうとしてる♪羽をちょっと分けようか?♪きれいな虹を見せようか?♪空と私はいつでも待ってる♪』
「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉ、サビくださいっ!!」」
「クレアさん!!お願いします!!」
曲が盛り上がると同時に、レオ達はクレアの周りの人ごみに飛び込んだ。
「うおぉ!?人の数ヤベェな!!お、おい、押すなよ!!ネネカ、大丈夫か!?」
「は、はい、ドーマさん。」
「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」
人ごみに埋もれながら、アランとレオは振り返ってビオランテを見た。
「ちょっと待て、眠らせるんじゃなかったのか!?」
「かなり元気な曲だよね……」
すると、人ごみの中からシルバとライラが現れた。
「眠らせるなんて無理だよ。」
「え…?どういうことですか?」
レオは人ごみを押しながらライラに問いかけた。
「そもそも、クレアさんの歌う曲には、そんなモノが無いからさ。」
「おい、クエストが始まる前に、眠らせるって言われたぞ?」
アランが言うと、シルバはバインダイルの方を見た。バインダイルは怒りが止まり、音楽に合わせて踊っているように見えた。
「まぁ、良いんじゃねぇの?バインダイル君、楽しそうだし。」
その後も、日が落ちるまでライブは続いた。




