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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
49/206

怒りと音色

「じゃあ、ライブを始めますか…。」


 クレアは弾き語りをやめ、一息はいた。クレアの目線の先には、バインダイルに追いかけられるレオ達がいた。




「みんな、町が見えてきたよ!!もうひと踏ん張りだ!!」

「レオさん!!後ろ!!」


 ネネカがレオに叫んだ。バインダイルは大きなルビーキャベツを持っているレオに太い根を伸ばしていた。


「おいレオ!!パス!!」

「頼んだ!!」


 アランが大声で言うと、レオはアランにルビーキャベツを投げ、アランはそれを両手で受け止めた。


「チィッ、キャリオンクローラーよりはマシだが、こんなに大変だとは思わなかったな………」




 4人が町の門に向かって必死に走っている頃、クレアはギターの弦を力いっぱい弾き、大きな音を出した。ギターの音に気付いた町の人々は、急いで門の前に走り出し集まった。


「おいクレア様だぞ!!」

「マジかよ!?」

「まさか、今から歌ってくれるのか!?」

「みんなを呼んで来い!!もうすぐ始まりそうだぞ!!」

「ゲリラだよゲリラ!!」

「やっぱクレア様は変わらずカワイイなぁ……………」


 ギターの音が止む前に、クレアの後ろには大勢の人が集まり騒いでいた。


「みんなーー!!来てくれてありがとーーう!!今からクエストに手伝ってくれるかなーーー!?」

「「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!」」

「それじゃあいくよーー!!”ドリームウィング”!!!」


 クレアがギターを弾きはじめると、人々は音楽にのせてかけ声で応えた。


「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」

『君は今、どんな夢を見てるの?♪ 夢はそんなに小さくて良いの?♪もっと、大きな夢を見なよ♪夢は、大きな翼に のせて、広い空へ羽ばたかせればいいじゃないっ?♪』

「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」




「おい、レオ…歌始まってないか?」

「…………本当だねドーマ。みんな、あとちょっとだ。アランは大丈夫?」


 レオは、ルビーキャベツを持って走っているアランに声をかけた。アランは汗を流しながら苦しそうな顔をしている。


「レオ……すまん、頼んだ!!」


 アランはレオにルビーキャベツを投げると、レオはルビーキャベツを両手で受け止めた。


『グオォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!』

「バインダイル、かなり怒ってますね………」




(レオ君、アラン君、ドーマちゃん、ネネカちゃん、あとちょっとだよ。がんばって。)『なんだよ?顔を上げなよ、雨が降ってるだけでそんな顔するなよ?♪歌鳥は今でも飛ぼうとしてる♪羽をちょっと分けようか?♪きれいな虹を見せようか?♪空と私はいつでも待ってる♪』

「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉ、サビくださいっ!!」」

「クレアさん!!お願いします!!」


 曲が盛り上がると同時に、レオ達はクレアの周りの人ごみに飛び込んだ。


「うおぉ!?人の数ヤベェな!!お、おい、押すなよ!!ネネカ、大丈夫か!?」

「は、はい、ドーマさん。」

「「はいっ!!はいっ!!はいっ!!はいっ!!おぉぉぉぉぉぉぉぉっ、はいっ!はいっ!はいっ!はいっ!」」


 人ごみに埋もれながら、アランとレオは振り返ってビオランテを見た。


「ちょっと待て、眠らせるんじゃなかったのか!?」

「かなり元気な曲だよね……」


 すると、人ごみの中からシルバとライラが現れた。


「眠らせるなんて無理だよ。」

「え…?どういうことですか?」


 レオは人ごみを押しながらライラに問いかけた。


「そもそも、クレアさんの歌う曲には、そんなモノが無いからさ。」

「おい、クエストが始まる前に、眠らせるって言われたぞ?」


 アランが言うと、シルバはバインダイルの方を見た。バインダイルは怒りが止まり、音楽に合わせて踊っているように見えた。


「まぁ、良いんじゃねぇの?バインダイル君、楽しそうだし。」


 その後も、日が落ちるまでライブは続いた。

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