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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
43/206

大地の寄生虫

「いらっしゃいませ、ご用件はなんでしょうか?」


 酒場の受付嬢は、カウンター越しにレオ達に声をかけた。


「秘宝入手クエストを受注したいのですが。」

「かしこまりました。皆さんのレベルと優先順位で考えると………こちらはいかがでしょう?」


 受付嬢は一枚の紙をカウンターの上においた。


「南ラスカンにキャリオンクローラーが現れた……すみません、キャリオンクローラーってどんな魔物なんですか?」


 四人が紙を見つめる中で、レオは受付嬢に質問した。


「はい、キャリオンクローラーは虫系の魔物で、大地の寄生虫と言われるほどの大きいです。…60mほどでしょうか?」

「かなり大きいですね……」


 ネネカは少し困った表情を見せた。


「この魔物にはいくつかの注意点があります。まず、キャリオンクローラーの口の周りには無数の触手があり、触手の先には麻痺状態にさせる棘があるので注意してください。そして、キャリオンクローラーは今も成長し続けています。蝶になったらかなり厄介なので、早いうちに討伐することをオススメします。」

「ちょっと待て、蝶になるってことは…………?」


 ドーマは何かを察したように苦い顔をした。


「はい、いわゆるイモムシでございます。」

「……60mのイモムシ……触手…………レオ、他のクエストにしようぜ……?」


 アランは苦笑いをしてレオの方を見た。


「な、何を言っているんだ…ア、アラン……こ、このクエストをやらないと、ぼ、僕たちは、か、帰れないんだよ……?」


 レオは脂汗を出しながら、苦笑い気味で言った。


「あ、忘れていました。キャリオンクローラーには無数の部下がいて、ワームという30㎝ほどのイモムシが」

「もうやめてくれぇぇぇぇぇっ!!!!!!!!」




「もうすぐ着くよ。準備をして。」


 レオ達はペガサスに乗って南ラスカンへ向かっている。あと少しで着くところだ。


「レオ、マジで受注しやがったな……」

「おいドーマ、お前は狙撃だから良いが、俺は打撃だぞ。イモムシを触るんだぞ。」


 アランはドーマを下に見るようにして言った。


「狙撃も大変なんだよ!!もしも弱点に矢が刺さったら暴れるだろ?想像するだけでもゾッとするんだからな!?」

「俺はその攻撃で出た返り血を浴びるんだからな!?」


 アランとドーマは睨み合った。


「文句ばかり言ってんじゃねぇぞアラン!!」

「あぁ!?お前もだろドーマ?」

「アァッ!?」

「アァッ!?」

「アランさん、ドーマさん、着きましたよ。」


 アランとドーマが気付いた時には、ペガサスの足は南ラスカンの地についていた。


「え………」

「えぇ…………………」


 四人が見た景色は、ビルなどの建物が倒れた灰色の世界だった。


「これ、全部キャリオンクローラーが……」

「まぁ、60mもあれば、こうなるだろう。」


 アランはしゃがみこんで瓦礫を触ると、瓦礫の隙間からイモムシが出てきた。


「うわぁぁっ!!!」

「ワームだ!!」

「誰か、た、倒せ!倒せ!!」

「嫌です、嫌です!!」


 レオ達が一匹のワームを見て慌てていると、四人に大きな影が覆い被さった。


「……………え…」


 四人は顔を上げると、そこには無数の触手と大量の赤い眼を持った、橙色の巨大なイモムシが立っていた。


「……ギ、ギャァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!!」

「逃げろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!!!」

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