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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
4/206

初陣

「よし、では次に、魔物との戦闘について話す。」


 エレナスに言われ、レオ達は町の外に出た。外には、先程見た30cmくらいのハムスターが二十匹ほどいる。すると、エレナスが、ハムスターを背に口を開いた。


「よし、よく聞け。あそこに見えるのは、獣類の中で最も弱い魔物、デカハムだ。今回はあのデカハムで練習するからな。」


 エレナスがそう言うと、手に持っていた長く大きな袋から銅の剣を出し、生徒に渡した。


「うぉっ!?……けっ……剣っ!?」

「な、なんすか急にっ!!」

「今からお前達には、あのデカハムと戦ってもらう。」


 すると、エレナスとレオの目が合った。エレナスはレオに近寄り、彼の耳元で囁いた。


「お前、やってみるか?」

「……は、はい…。」


 レオは彼の圧に負け、断れなかった。周りから熱い視線がくる。レオは剣を握り締め、デカハムを目掛けて走った。


「はあああぁっっ!!!」


 思いっきり剣を振り下ろした。


デカハムに4ダメージ! HP6/10 MP3/3 SP5/5


「よし、今デカハムは4ダメージ受け、HPが6になった。」

「兵長さん、HPとは?」

「ああ、簡単に言うと体力みたいなもんだ。」


デカハムの‟二連打パンチ‟!!レオは5ダメージ受けた。


「ウッッ!!ガハッ!!」


レオは目を大きく開き、腹を押さえて怯んだ。HP5/10 MP5/5 SP2/2


「兵長!このままじゃレオが!!」

「心配ない、ただ相手の特技を受けただけだ。ちなみに、MPは魔法を、SPは特技を使用することで消費される。」


レオの攻撃! 会心が発動!!!デカハムに15ダメージ!!!デカハムは倒れた。


「バトル終了、お疲れ。」

「エレナスさん、最後のは何だったんですか?」

「ああ、あれは会心と言ってな、1%しかでないが相手に大ダメージをあたえる攻撃のことだ。」


 するとエレナスは生徒の中心に立ち、大きい声で話し始めた。


「よし。これで戦闘の実習は終了だ。最後に、先ほどMPとSPの話をしたが、これから強くなるにつれ、お前達は魔法と特技を覚える。もし使う時が来たら、その技の名を心に沈めて声に出せ。そうすれば、技が己を導いてくれる。覚えておけ。さあ、今日は町でゆっくり休め。お疲れ。」




 レオ達は町に入り、それぞれ別れた。レオはアランと共に酒場に入った。レオとアランは木で作られた4人席のテーブルに座った。


「おいレオ、お前凄いな!あの状況でよく頑張ったぞ。」

「そうでもないよ、ほら、皆応援してくれたし。…あ、そうだ、僕Lv2に上がったんだ。」

「あ〜ぁ、いいよな。そんなんだったら俺を選んでくれれば楽勝だったんだけどな。」

「みんなの前でカッコつけたかっただけじゃないの?」

「っ…んなわけねぇだろっ!!それより飯だ飯!!すんませ〜んっ。」


 そういってアランは近くのテーブルで接客を済ませたばかりの女性店員を呼んだ。彼女は笑顔で振り向き、メモを持って2人の前に立った。


「いらっしゃいませ、ご注文をどうぞ。」


 レオとアランは、テーブルの上に置かれた紙を見つめた。


デカハムのハンバーグ定食・・・10セリア

トロンコッカーの玉子かけご飯・・・50セリア

コーロチーズフォンデュ・・・75セリア

ラピス牛の牛丼・・・100セリア

ポイズングロリアスのステーキ・・・750セリア


「んー、僕はトロンコッカーの玉子かけご飯かな。」

「んじゃ俺はラピス牛の牛丼だ。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」


 女性店員は軽く頭を下げ、厨房へと歩いて行った。するとアランはテーブルに肘を置いてレオに囁き始めた。


「なあ、今の店員………綺麗だったよなぁ?」

「う、う、うん…。そう…だね。」(そういうとこ、変わらないな…アランは…)


 その時、後ろからネネカの声が聞こえた。


「あの…ここ、良いですか?……他が…満席で…」

「あ、良いよ。座って。」


 レオが言うと、ネネカは赤くなった顔を少し下げて、ゆっくりとレオの隣に座った。


「んじゃ、アタシもいいかな?」


 ドーマがアランの隣に50cmくらいの間をあけて座った。2人は仲が悪く、顔を合わせるといつも口喧嘩が始まる。すると、先程の店員がレオとアランが注文した料理を持って来た。


「お待たせしました。あ、いらっしゃいませ。」

「アタシは、チーズのヤツで。」

「私は…、ハンバーグ定食で…お願いします。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」


 ドーマとネネカが注文すると、店員は笑顔で頭を下げて厨房へと歩いて行った。


「なあ、オメェら、パーティはどうするんだ?」


 アランがテーブルに肘をのせて言った。レオは数回瞬きをすると、3人の顔を見て口を開いた。


「あぁ、チーム的なやつでしょ?僕はこの4人で良いと思うけど。」

「あ〜…そうか?アタシは反対だね。」

「どうして?」

「コイツが嫌なんだよ。こんな出しゃばり野郎がいたら命が何個あっても足りねぇぞぉ。」


 そう言ってアランを親指でさして睨んだ。


「あぁ?お前ちょっと外出ろ。」

「まあまあ、落ち着いて。ネネカはどう思う?」

「わ、私は…賛成です。」

「……おいおい…ネネカにそんなこと言われると…なぁ。」

「じゃあ決まり!よろしくねっ!」


 レオのパーティが決まった。


レオ  Lv2 HP12/12 MP7/7 SP4/4

アラン  Lv1 HP10/10 MP5/5 SP2/2

ドーマ  Lv1 HP 8/ 8 MP7/7 SP3/3

ネネカ  Lv1 HP 8/8 MP7/7 SP3/3

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