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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
39/206

魚鬼の耳飾り

「来るぞ!!総攻撃だ!!」

「あたれっ!!」

「”ロッサム”!!」

「オラオラオラァッ!!」


 高く飛び跳ねたオーガムベンガに向かってドーマは矢を放ち、コルトは森属性の魔法を唱え、スフィルはマシンガンを連射した。


「アラン!オーグル!エルア!ボートに掴まって!!」


 レオが言ったその時、オーガムベンガは大きな波と音を出して、海に入った。


「くっ!!なんてヤツだ……」

「大丈夫か!?お前ら!!」


 ドーマは大きな波に飲み込まれそうな四人に言った。


「だ、大丈夫だ…クソ、ボートがひっくり返ったらヤツに丸飲みにされちまうぞ……」


 オーグルはボートを必死になって掴みながら呟いた。


「たぶん、あの攻撃では全然ダメージを喰らってないだろう……みんな、次のチャンスに備えて!!」


 コルトが皆に呼びかけると、ドーマはすぐに背中の矢筒から矢を取り出し、スフィルはマガジンを取り替えた。


「まさかこんなにデカいとは思いませんでした……早く弱点を探さないと……」


 ネネカが言うと、再びオーガムベンガは大量の水しぶきと共に高く飛び跳ねた。


「来たぞ!!”スクリュー・ストレート”!!」

「”フレア”!!」

「いっけぇぇぇぇぇぇっ!!!」


 オーガムベンガに向かってアランは風を纏った拳を突き出し、コルトは火属性の魔法を唱え、エルアはブーメランを投げた。しかし、オーガムベンガにはアランとエルアの攻撃はあたらなかった。


「アラン!オーグル!エルア!気をつけて!!」


 レオは三人に言うと、アランとオーグルはボートに掴まった。エルアは自分が投げたブーメランを回収するのに夢中で、ボートに掴まらず、立ったままだった。


「おい、エルア!!波が来るぞ!!」

「でも、ブーメランが!!」


 その時、オーガムベンガは大きな波と音を出して、海に入った。エルアのボートは転覆し、エルアは海に落ちた。


「エルアさん!!」

「あのバカ…!!早く上がってこい!!」


 ドーマが大きい声で言ったその時、転覆したボートの下が血の色に染まりはじめた。


「嘘だろ……」

「おいおいおいおいおいおい!!!」

「エルアァァァァァァッ!!!」


すると、口を赤く染めたオーガムベンガが高く飛び跳ねた。


「クソッタレ……クソッタレがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」


 大きく口を開けたオーガムベンガに向かって、オーグルは槍を突き出した。


「オーグルやめろ!!危険すぎる!!」

「うるせぇレオ!!くたばれぇぇぇぇぇぇっ!!!!」


 大きく口を開けたオーガムベンガはオーグルの槍と腕に齧り付き、オーグルと共に海に入った。


「オーグル!!」

「オーグルさん!!」

「バカ野郎!!」


 アランは海に飛び込もうとした。


「アラン、ダメだ!!君も食べられてしまう!!」




(くっ…離せっ!!)


 海の中では、腕を咬まれたオーグルがオーガムベンガの顎を何度も蹴っていた。


(こ、このままでは……息が………!!)


 オーグルはオーガムベンガの歯の部分に左手と両足を置き、右腕を引きちぎりはじめた。


(ぐぁぁぁぁぁぁっ!!!離れろぉぉぉっ!!!!!)


 オーグルの腕からは骨が外れた音が鳴り、牙で貫かれた右腕からは大量の血が出はじめ、周辺が赤くなった。


(あぁぁぁっ!!腕が!!!…息がぁっ………!!!!)


 その時、オーグルの右腕の皮膚がちぎれ、赤い肉が見えはじめた。


(いってぇぇぇっ!!!……あと…あと少しだ………!!!)


 オーグルの右手には、もう感覚がない。ただひたすら、自分の右腕を引きちぎることだけで精一杯だった。


(うぐっ……!!!うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!)


 その時、オーグルの右腕はブチブチと音をたてて ちぎれた。


(あぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!腕がぁぁぁぁっ!!!!!!)


 痛みに耐えきれず、オーグルは気絶し、海上に浮き上がった。


「オーグル!!」


 浮き上がってきたオーグルを見つけたレオは、急いでボートを漕ぎ始めた。


「オーグル!!大丈夫!?」


 レオが、オーグルをボートに引き上げようとしたその時、オーガムベンガが大きい口を開けてレオの方へ泳いできた。


「レオ!!危ない!!」

「レオさん!!」


 レオは剣を構えて上に振ると、オーガムベンガの硬口蓋に刺さったオーグルの槍にあたり、オーガムベンガは怯んだ。


「…な、なんだ?」

「おいレオ!!早くオーグルをこっちに!!」


 陸からドーマが大きな声を出して言った。レオは急いでオーグルをボートに引き上げ、ドーマ達がいる陸に向かった。


「オーガムベンガが怯んだ……弱点は口の中か…?」


 アランは海に潜るオーガムベンガを見つめた。


「オーグル!!しっかり!!」

「しっかりしろ!!!」


 コルトとスフィルは、オーグルの肩を揺さぶった。


「ネネカ、回復魔法を。」

「は、はい、レオさん。で、でも右腕はもう治らないと思いますが……」

「ネネカ、今は回復が最優先だ。」


 ドーマはネネカの背中に手を置いた。


「はい。……”レッシュ”。」


 ネネカはオーグルに回復魔法を唱えると、オーグルの右腕の出血が止まった。


「これでなんとか……」


 その時、大きな音をたててオーガムベンガが飛び出した。狙いはアランだ。


「アラン!!避けろ!!」

「アランさん!!」


 すると、アランは腰を低くし、拳に銅を纏わせて構えた。


「………そこだ!!”スクリュー・ストレート”!!」


 アランは右の拳を突き出すと、銅の拳はオーグルの槍にあたり、オーガムベンガの頭を貫いた。オーガムベンガは秘宝を吐き出して、海の底へと沈んだ。


「や、やったのか……?」

「……ア、アラン………」


 レオ達は、ボートの上に立つアランを見つめた。


「…………倒したぞ…お前ら……」


 アランの手には、オーガムベンガが吐き出した秘宝、魚鬼の耳飾り が握られていた。

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