仲間と共に
「よし、パーニズに着いたよ。」
レオ達はブランカでのクエストを終え、ペガサスに乗ってパーニズに帰ってきた。空は、夕焼けの赤色に染まっていた。
「ふぅ…疲れた………ん?レオ、渦の下の階段が三つ増えてねぇか?」
四人はペガサスから降り、海の上に見える闇の渦の下を見つめた。
「本当だ…」
「アタシ達以外に誰かが秘宝を入手したのか?」
「お~い!レオ~!!」
四人の後ろからコルトとオーガスト・リーグ(オーグル)とエッガー・ラー(エルア)とセルフィ・リドァ(スフィル)が走ってきた。
「コルト!まさか、君のパーティが秘宝を?」
「フフッ、そうなんだよレオ。ほら。」
コルトが言うと、エルアとスフィルが 歌鳥のピアス と 牙竜のネックレス を取り出した。
「すごいですね!二つもですか?」
「俺たちも、さっき秘宝を入手したところなんだよ。」
アランは、ドーマが首に装備した 煌めく首輪 に指をさし、自慢げに言った。
「おぉ、やるじゃん!この調子なら、この世界から出ることも夢じゃねぇな!」
オーグルがうれしそうな顔でアランの肩を揺さぶった。
「お、おう……そうだな…………」
「そうだレオ、明日いっしょにクエストやらない?」
コルトはレオの瞳を見つめながら言った。
「そうだね。レイドクエストでも受注しようか。」
西の空に日が沈むころ、レオ達は四人と別れ、報酬を受け取るため酒場に向かった。
次の日、レオ達は四人と再会し、酒場に入った。
「いらっしゃいませ、今日も多くのクエストが届いてますよ!」
カウンターの前に立つと、受付嬢が声をかけて歩いてきた。
「あの~、レイドクエストってありますか?」
「レイドクエストですか?少々お待ちください。」
受付嬢は、クエストボードに貼ってある紙をめくりはじめた。
「え~と…確か……このへんに………あ!ありました。」
「ありがとうございます。………えっと…バルキ周辺の海に、秘宝持ちの巨大な魚が現れた…名前はオーガムベンガ。かなり凶暴なため、早いうちに討伐を頼む。依頼人は、オーリンの漁師…か。すみません、バルキの場所を教えてもらえませんか?」
レオが言うと受付嬢は「はい。」と頷いたので、カウンターに地図を広げた。
「バルキは…ここですね。ガイアの南に位置する国です。でも、この国には人が住んでいません。」
「人がいない?どういうことです?」
スフィルは表情を固くした。
「環境が悪いからでしょう。今回のクエストは海上での戦闘がメインとなると思います。ですので、こちらからボートを四艘用意します。貸し出し代や、修理代についてはこちらで出しますので、ご安心ください。」
すると、二人の店員がボートを四艘持ってきたので、アランとオーグルとスフィルとエルアは一艘ずつ背負うことにした。
「いろいろとありがとうございます。じゃあ行こうか。」
レオは受付嬢に礼を言うと、コルト達と共に酒場を出た。