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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
34/206

光を求めて

「…………………また、馬鹿な真似を……」


 エルドがダークネスの世界を一人で歩いている。


「……悔しいですが、どこか懐かしい気分ですよ。」

『ガルルルルルッ……』

『グァウウウウウ……』


 エルドの前に大きな魔物が数えきれないほど現れた。


「…………どうやら、相手を間違えてしまったようですね。気の毒ですが、ここで消えてもらいますよ。」


 エルドは左手の手袋を外し、腰から禍々しい色をしたナイフを取り出した。


「私と魔王の関係、忘れました?」




「お~い、レオ~!アラ~ン!ドーマ~!ネネカ~!」

「おぉ、デンテ。どうしたの?」


 デンテが四人のところに走ってきた。


「昨日は悪かった。俺、今から…」

「もういいよ。この世界から出るために、少しでも協力してくれるだけで十分だ。」


 ドーマがデンテの肩に手をおいた。


「んで、今から何すんだ?」


 アランが腕を組んで言った。


「あぁ、そのことなんだけど……俺、本当は死ぬのが怖くて、外に出たくないんだ……」

「死ぬのが怖いのは、私も一緒ですよ。」


 ネネカは優しい顔を見せている。


「俺、料理つくるの得意じゃん…ちょっとでも協力したいから、サブ職のクッカーになって、酒場で働こうかなって……いいかな?」

「いいんじゃないかな。……うれしいよ。ありがとう。」


 レオが言うと、デンテは笑顔を見せた。


「じゃあ俺、パーニズ相談事務所に行ってくるよ。」


 四人はデンテと別れた。


「よし、俺たちはクエストを受けに行くか。」

「そうだね。じゃあ、秘宝持ちの魔物を中心にクエストを受注しよう。」


 四人は酒場へ向かった。




「いらしゃいませ、今日も多くのクエストが届いてますよ!」

「秘宝持ちの魔物の討伐クエストはありますか?」


 レオが言うと、酒場の受付嬢は、一枚の紙を出した。


「それなら、このクエストがオススメです。」


 紙には、『ブランカに秘宝持ちのキャスパリーグが現れた。半年後にはこの国で武闘大会が開かれるから、早いうちに討伐を頼む。』と書いてあった。


「すみません、ブランカってどこか、教えてもらえませんか?」


 レオが、カウンターに地図を広げた。


「はい。ブランカは……ここです。」


 受付嬢が、南東の緑色の大陸に指をさした。


「地図を見て分かると思いますが、ブランカは草木がものすごくて、過去に迷子になった冒険者もいます。」

「ジャングルってわけか………」


 四人は地図を見つめている。


「ちなみに、キャスパリーグは猫のような見た目をした、小型の獣系の魔物です。」

「猫かぁ………それって………かわいい……?」


 ドーマが受付嬢の目を見つめた。


「か、かわいいですよ……とても……」

「とてもですか!?」


 ネネカも受付嬢の目を見つめた。


「は、はい……ですが気をつけてください。キャスパリーグはとても早くて、意外に凶暴です。」

「凶暴……それ、ツンデレとかでは……?」


 ドーマがカウンターに身を乗り出すと、アランはドーマの縛った赤い髪を掴み、外に出ようとした。


「いてぇって!!やめろ!!アラン!!はなせよっ!!」

「そんな猫情報どうでもいいだろ。魔物は魔物だ。行くぞ、お前ら。」


四人は酒場を出た。

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