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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
26/206

赤く染まるガイア

「…」

「どうした、エルド。何かあったか?」


 薄暗いギルド小屋の中で、エルドは無言でワイングラスを拭いている。


「いえ、少し気になったことがありまして。」

「ほう…なんだ?」


 男は椅子に座り、エルドに問いかけた。


「前回の緊急クエストの内容についてなんですが、シルバから聞いた話によると、奇妙なことがあったらしいのです。」

「奇妙なこと?」


 男はワインをスッと飲んだ。


「はい。そのクエストの引き金となったエンペラーグリズリーの内臓は綺麗に剥ぎ取られていて、被害者となった人間という種族の死体が無くなっていたとか…」

「…そうか。その犯人がダークネスの者でなければいいのだが…」


 男は顎のひげをなでるように触った。すると、エルドがグラスにワインを注ぎ、グラスを持った。


「そうですね。まぁ、我らライトニングの勝利のために、これからもよろしくお願いしますよ。マスター。」

「ああ。」




「チッ、シェウト、貴様はパーニズに戻ってろ!このクエストは俺が片付ける!」


 ガイアに着いたレオのパーティとシェウトのパーティはロックエイプを見つけるため、ゴツゴツした岩山を歩いている。


「な~に言ってんのかさっぱりだな。お前ら邪魔だから帰れよ。」

「……おいレオ、あいつらのステータスは?」


 ドーマがレオに囁いた。


「シェウトLv16武闘家。ベリルLv5魔法使い。ユスーチLv4武闘家。コラーグLv7戦士。シェウトと今の僕たちは同じくらいだけど、それ以外はあまり強くない。」

「シェウト!いたぞ!!」


 その時、ユン・スーチ(ユスーチ)が大声で叫んだ。彼の目線の先には一頭のロックエイプが立っていた。


「私が!!」


 ベルル・リオル(ベリル)が木の杖を手に取り、ロックエイプの方に走り出した。


「ちょ、バカッ!!自分の職業忘れたの!?」


 ドーマはすぐにアサルトライフルを取り出し、ロックエイプに三発撃った。


『バウアウッ!!』


 ロックエイプは銃弾を避けると、大きい岩を持ち上げ、勢いよく投げてきた。


「う、うわぁぁぁぁぁぁっ!!」

「コラーグ、どいてろ!!」


 すると、アランはコア・ラグリオ(コラーグ)を押し倒し、銅の拳で岩を受け止めた。


「うぐぉっ…行け、コラーグ…」

「わ、わりぃ…」


 コラーグは立ち上がり、大剣を持ってロックエイプに斬りかかった。


「うおおおおおっ!!!」


 その時、ロックエイプがコラーグの胴体と脚を両手で掴み、両腕を広げはじめた。


「いたい!やめろ!やめてくれぇぇぇっ!!」

「コラーグ!!」

「はぁぁぁぁっ!!!」


 レオはロックエイプに斬りかかった。が、ロックエイプはレオを蹴り飛ばした。


「うあぁぁっ!!」

「いやだぁぁぁっ!!死にたくない!死にたくないよぉぉぉぉ!!!」


 ロックエイプはじわじわと両腕を広げている。コラーグの叫ぶ声が大きくなってきたその時、彼は腹部をブチブチと鳴らして大量の血を噴き出し、複数の生々しい色の内臓を地に落とした。


「コラーグ!!!」


 ロックエイプは二つに分かれたコラーグを投げて山奥へ逃げた。


「まちやがれ…まちやがれクソゴリラァァ!!!!」


 シェウトが言うと、六人はロックエイプを追いかけた。


「ネネカ、待って。君はコラーグを!」


 レオは立ち上がり、ネネカに言った。


「は、はいっ!」


 その後、レオもロックエイプを追いかけ始めた。

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