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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
25/206

道を塞ぐ者

“や…めろぉ……!!やめろぉぉっ!!!”



「ヌァッ!!……」


 宿屋で寝ていたアランは、夢から覚めた。が、まだ外は暗く、満月が輝いている。


「チッ、またあの夢か……」


 アランはコップに水を入れ、夜空を見上げた。


「俺たち…本当に、帰れるんだよな?……」




 日が昇り、パーニズも暗黒から覚めた。レオ達は宿屋から出て商店街に向かった。


「店、結構にぎやかですね。」

「うん、最近クエストに参加する人も増えたし、雰囲気よくなったよね。ね、アラン。」


 レオはアランの方を見た。しかし、アランは下を向いて黙っている。


「アランさん…?」


 アランはドーマの方を見たが、すぐに下を見た。


「なんだよ、こっち見んなよ。」

「アラン…何かあったの?」

「………んなワケねぇか。なんもねぇよ。ほら、買いたいもんあんなら、とっとと買ってクエスト行くぞ。」


 アランはため息をついた。


「アラン、ドーマになにかあったの?」

「なんもねぇって!」


 すると、一枚の紙がネネカの顔面に飛んできた。


「キャッ!!…………な、何でしょうか……この紙…………」


 ネネカが紙を手に取った。そこには、こんなことが書いてあった。


〈南西のガイアに秘宝持ちロックエイプ三体出現。商人の通る通路を塞ぐように縄張りをつくっている。至急討伐を頼む。詳しくはクエストボードで。〉


「なぁ、せっかくだし、このクエスト受けようぜ。」


 ドーマがネネカの手から紙を取り上げた。


「そうだね。秘宝って、あの闇の渦への階段ができるアイテムのことだよね。」

「あぁ。つまり、このクエストをやれば、帰れる日が近づく。」

「それなら、行くしかないですね。」

「ああ。一日でも早く魔王を倒して帰らないとな。」


 四人は酒場へと向かった。クエストボードのまわりには、多くの人々が群がっていた。


「ガイアの商人の通る道が塞がったということは、ほとんどの国の商売が成り立たなくなってしまう。」

「困ったわねぇ、ガイアで取れる特効薬はとても良いのに……」

「このクエスト受けてくれるパーティはいないのか?」


 ボードの前での話声はさらに大きくなった。


「安心しろ、俺のパーティが出てやる。」


 その時、一人の男が言葉を放った。 シェルキー・アラート(シェウト)だ。幼い頃から殴り合いを楽しむような生徒だが、根はそこまで悪くはない。


「俺のパーティがロックエイプとやらをブッ飛ばしてやる。まぁ、俺の手にかかれば一捻りだろ。」

「んぁ!?お前、このクエストをやるのは、このアラン様のパーティだ!勘違いするな。」


 アランが拳をパキパキと鳴らした。


「ア、アランさん!喧嘩は…………」

「ふっ、良いだろう。アラン、貴様のパーティの力がどれほどか、見せてもらおうか。精々頑張ることだな。」

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