進むべき者
緊急クエストを無事に終えたレオ達四人は、パーニズの酒場で報酬を受け取り、夕食を済ませることにした。
「お疲れ様でした。報酬をお受け取り下さい。」
酒場の受付嬢が革の袋に4000セリアほど入れてレオに渡した。
「え、いいんですか!?こんな大金。」
レオが目を大きく開いた。
「ええ。今回のクエストは緊急ということもあり、なんと言ってもユメミキノコの採集が可能になったので、食堂のメニューにユメミキノコのホワイトシチューが追加されました。なので、特別に。」
受付嬢が嬉しそうな表情を見せた。
「まぁ、なにがともあれ、飯だ飯!」
アランがそう言うと、レオ達は4人席に座った。
「いらっしゃいませ、どれにしますか?」
女性の店員が小さい紙とペンを持って寄ってきた。
「じゃあ僕は…ラピス牛の牛丼とユメミキノコのホワイトシチューで。」
「俺はポイズングロリアスのステーキだ。」
「アタシはトロンコッカーの卵かけご飯とユメミキノコのホワイトシチューでよろしく。」
「ネネカは?」
ネネカがメニューが書かれた紙を黙って見ている。
「……………ネネカ?」
「あっ!!っと……ハンバーグ定食で……。」
「かしこまりました。少々お待ち下さい。」
店員がメモをとってカウンターの方へと歩いていった。
「どうしたネネカ、最近様子が変だぞ。食べる物も一番安いやつだし。………遠慮しなくて良いんだぞ?」
ドーマが心配そうな目でネネカを見つめた。
「あ、えっと…べ、別に病気だとか、眠いだとか、筋肉痛だとか、…そんなことはありません。何もないです。何も。」
「筋肉痛って………」
アランが苦笑いをした。
「そ、そうか……そんなことより、今日のシルバもすごかったね。」
「あと、ココっていうあの狐、見た目カワイイくせにパーニズギルダーズのリュオンに変身して、敵を沢山倒してたな。あのコンビネーション、カッコよかったなぁ……」
ドーマが席を立って大きな声で言った。
「やっぱり、ああいうゲームキャラクターは、校長先生が私たちのために作ったお助けキャラのようなものなのでしょうか……?」
「いや、そうだとしたら、あの強さはある意味作成ミスだろ。」
四人で話していると、注文した料理が運ばれてきた。
「お待たせしました。それでは、ごゆっくり。」
女性店員がカウンターの方へ歩いていったすぐに、四人はものすごい勢いで食べ始めた。
「やっぱり酒場の飯もうめぇな!ステーキの味も飽きねぇし。」
「新作のシチューも美味しい。僕の家のシチューを思い出すよ。」
レオがそう言うと、四人の手が止まった。
「………家…か。」
「そうでしたね……私達には、帰る家がありましたね…………」
「………バーノンや、死んでしまった人の分も僕達で……頑張ろう。」
「……………だな。」
四人は太陽が沈む空を見つめた。




