集いし者たち
「じゃあ、これから緊急会議を始める。」
レオの一言で3年生による会議が始まった。
「今回の緊急クエストは最大8人で参加できるレイドクエストだ。今からこのクエストに参加する人を決めたいと思う。」
皆の熱い視線がレオに向けられる。
「今回の討伐目標はエンペラーグリズリーの群れ。おそらく敵の数は僕たちの想像を遥かに超えているだろう。」
レオが言うと、アランが前に出た。
「俺はこのクエストを受注する。とっととバーノンの仇を討って少しでも早くこの世界を出たいからな。」
「アラン、ありがとう。」
「アタシも行くよ。」
ドーマが腕を組んで言った。
「せっかくレベルが高くなったんだ。それに、このライフルの強さを知りたいからね。」
「あ、あの……………」
ネネカが口を開いた。
「私も行きます…。」
「みんな……………………ありがとう。」
レオの顔に笑みが浮かんだ。
「待った、このクエストは危険すぎる。」
誰かがレオに向かって言った。
「お、ここで生徒会長バルゼフのお出ましか。」
アランの眼が鋭くなった。
「お前らは馬鹿なのか?一人の生徒が一撃でやられたんだ。お前らが森に行っても命を棒に振るだけだ。やめておけ。」
バリアント・ルセス(バルゼフ)が四人を上から見る目で言った。
「あぁ?だから行くんだろ?こんな時に武器を持たないお前が馬鹿だ!」
ドーマがバルゼフの胸倉を掴んだ。
「……………………ふっ。ドーマ、本気か?」
バルゼフがドーマを見て、にやけた。
「…………あぁ。お前の言葉や刃なんざアタシの筋を徹るはずがない。」
ドーマはそう言ってバルゼフを見つめた。
「ふっ、良いだろう。そこまで言うなら、この会議が本当に大事なことなのか見学しにでも行ってやろうか。」
バルゼフが言うとドーマは胸倉から手を離した。
「他に協力してくれる人は……?」
レオが言うと二人の手が上がった。コルトとカルマだ。
「レオ、前に話したよね。たまには君とパーティを組みたいって。」
コルトが真剣な表情で言った。
「ありがとう。」
「俺を忘れるなよ。俺はチャナの洞窟で修行してきたんだ。」
カルマが武器の長刀を上にあげて言った。
「カルマ、それ洞窟で迷っただけだろ。」
アランが言うと、部屋の中にいるほとんどの人が笑った。
「じゃあ、あと一人。」
「あの、レオさん。」
ネネカが小さな声で名を呼んだ。
「ここは七人で行った方がいいような気がします。」
「どうして?」
レオがネネカの方を見て言った。
「…………何かを感じるんです。」




