ユメミキノコ
レオとネネカは、アランとドーマのかわりに同級生のジョウモン・トキヤ(トキア)とバライ・ノーレン(バーノン)をクエストに連れていくことにした。
「よし、じゃあ行こうか。」
レオが言うと、ペガサスを借りるため、ペガサスの世話をしている老人に2000セリア払った。そして四人はペガサスに乗りイルアへと向かった。
昼間の日光と風が四人を優しく包んでいるかのようだ。
「確か、ユメミキノコだったけ?」
バーノンが骨のついた肉をかじりながら言った。
「危険なクエストもあれば、こんな簡単なクエストもあるんだな。」
「でも、あまり生えていなくて、採集が難しいらしいよ。」
「へぇ~。」
四人で話していると、後ろから声が聞こえてきた。だんだんこちらに迫ってきている。
「どけどけぃ!報酬は俺のものだぁ!!」
「先行かせてもらうぜぇ!」
「な、なんだ!?」
二人の武闘家を乗せたペガサスがレオ達を追い越した。
「おい!危ねぇじゃねぇか!!」
トキアが二人にむかって叫んだ。
「しょうがないですよ。こんな簡単なクエストでお金が手に入るんですから。」
「……そ、そうだよなぁ〜ネネカ……。」
トキアが背中を丸めて言った。
それから少し時間がたった頃、イルアの真上に着いた。
「あの森に降りよう。」
レオが指をさした。
「了解!」
「なんかこの国、長靴みたいな形だなぁ……」
四人はイルアの森に降りた。
「じゃあ、ペガサスはここで待機させて、僕達はキノコ採集に取りかかろう。」
「よし、すぐに5つ取って帰るぞ。」
四人は少し離れて、キノコを探した。
「……あ、ありましたよ!」
ネネカが三人を見て言った。
「お、早いな。」
「残り四つか…。もっと広い範囲で探そう。」
レオがそう言うと、四人は50mくらい離れて採集を始めた。
「レオ、あったか?」
トキアが大きい声で言った。
「うん、一つ見つけた!そっちは?」
レオも大きい声で返した。
「こっちは二つあったぞ!」
「順調だね。………ん?」
その時、バーノンの方から妙な気配がした。草木が大きく揺れている。
「バーノンさん!!逃げて!!」
ネネカが叫んだ。
「な、何!?」
すると、バーノンの背後から5mほどの大きな熊が襲ってきた。
「危ない!!」
熊がバーノンに爪を立てて引っ掻いた。
「があぁっっ!!」
バーノンの横腹は熊に引き裂かれ、血や内臓が溢れるように出てきた。
「きゃあっ!!」
「レオ!ネネカ!ここは逃げよう!!」
トキアがペガサスの方へ走りながら言った。
「でも!」
「なにしてんだレオ!戦えば死にに行くようなもんだぞ!!早く!!」
三人はバーノンを森においてパーニズへ急いで戻った。下を見ると、赤く染まったバーノンが熊に捕食されているのが見える。それを見たネネカは「もう嫌だ。」といいながら泣き崩れていた。