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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
19/206

ユメミキノコ

 レオとネネカは、アランとドーマのかわりに同級生のジョウモン・トキヤ(トキア)とバライ・ノーレン(バーノン)をクエストに連れていくことにした。


「よし、じゃあ行こうか。」


 レオが言うと、ペガサスを借りるため、ペガサスの世話をしている老人に2000セリア払った。そして四人はペガサスに乗りイルアへと向かった。




昼間の日光と風が四人を優しく包んでいるかのようだ。


「確か、ユメミキノコだったけ?」


 バーノンが骨のついた肉をかじりながら言った。


「危険なクエストもあれば、こんな簡単なクエストもあるんだな。」

「でも、あまり生えていなくて、採集が難しいらしいよ。」

「へぇ~。」


 四人で話していると、後ろから声が聞こえてきた。だんだんこちらに迫ってきている。


「どけどけぃ!報酬は俺のものだぁ!!」

「先行かせてもらうぜぇ!」

「な、なんだ!?」


 二人の武闘家を乗せたペガサスがレオ達を追い越した。


「おい!危ねぇじゃねぇか!!」


 トキアが二人にむかって叫んだ。


「しょうがないですよ。こんな簡単なクエストでお金が手に入るんですから。」

「……そ、そうだよなぁ〜ネネカ……。」


 トキアが背中を丸めて言った。




 それから少し時間がたった頃、イルアの真上に着いた。


「あの森に降りよう。」


 レオが指をさした。


「了解!」

「なんかこの国、長靴みたいな形だなぁ……」


 四人はイルアの森に降りた。


「じゃあ、ペガサスはここで待機させて、僕達はキノコ採集に取りかかろう。」

「よし、すぐに5つ取って帰るぞ。」


 四人は少し離れて、キノコを探した。


「……あ、ありましたよ!」


 ネネカが三人を見て言った。


「お、早いな。」

「残り四つか…。もっと広い範囲で探そう。」


 レオがそう言うと、四人は50mくらい離れて採集を始めた。


「レオ、あったか?」


 トキアが大きい声で言った。


「うん、一つ見つけた!そっちは?」


 レオも大きい声で返した。


「こっちは二つあったぞ!」

「順調だね。………ん?」


 その時、バーノンの方から妙な気配がした。草木が大きく揺れている。


「バーノンさん!!逃げて!!」


 ネネカが叫んだ。


「な、何!?」


 すると、バーノンの背後から5mほどの大きな熊が襲ってきた。


「危ない!!」


 熊がバーノンに爪を立てて引っ掻いた。


「があぁっっ!!」


 バーノンの横腹は熊に引き裂かれ、血や内臓が溢れるように出てきた。


「きゃあっ!!」

「レオ!ネネカ!ここは逃げよう!!」


 トキアがペガサスの方へ走りながら言った。


「でも!」

「なにしてんだレオ!戦えば死にに行くようなもんだぞ!!早く!!」


 三人はバーノンを森においてパーニズへ急いで戻った。下を見ると、赤く染まったバーノンが熊に捕食されているのが見える。それを見たネネカは「もう嫌だ。」といいながら泣き崩れていた。

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