再会と約束
シルバとアランとドーマが宿の部屋を予約している間、レオは病院へネネカの調子を見に行った。
「こんばんは、どうされましたか?」
病院の受付人がレオに声をかけた。
「今、ネネカっていう人はこの病院にいませんか?」
「その人でしたら、2号室にいますよ。ご案内しましょうか?」
「いえ、大丈夫です。」
レオはそう言って薄暗い廊下を歩いた。少し歩いて、2号室のドアを開けた。
「入るよ。」
レオが部屋に入ると、ネネカがベッドに座って下を見ている姿が見えた。
「ネネカ?」
「ハッ!」
ネネカが驚いた表情でレオの方を見た。そして、ネネカの瞳からはポロポロと涙が流れ落ちてきた。
「…レオ…さん……。」
ネネカはそう言うと、レオに抱きついた。
「こんな夜中にどこへ行ってたんですか…?」
「ネネカ…、ごめん。君をおいて旅に出てたんだ。」
レオはネネカの背に手を掛けて言った。
「心配…したんですよ………。」
「ごめん…。」
「約束…………いいですか……?」
ネネカが顔をあげて言った。
「……うん。」
「絶対に私を一人にしないでください…。約束……です……。」
「分かったよ。絶対一人にしない。」
しばらくして、レオとネネカは病院から出ると、宿に向かった。
「お、レオ!遅いぞ!」
アランが手を大きく振りながら言った。
「ごめんごめん。」
「ネネカ、お帰り。」
ドーマが優しい表情でネネカに言った。
「心配かけてすみませんでした。」
「へぇ、ネネカって言うんだぁ。顔はまぁまぁだね。…なんつって。」
シルバがネネカを見て言った。
「ああ、紹介するよ。さっき一緒に旅をしたシルバさんだ。」
「はじめましてシルバさん。」
ネネカが頭を下げて言った。
「あ〜どうもどうも。そうだ、お前らこれから寝るんだろ?」
「はい。」
「明日、俺のギルドに来ると良い。紹介したい仲間がいるんだ。」
「良いんです?」
ドーマが割り込んできた。
「ああ、町外れに木でできた2階建ての小さな建物があるはずだ。勝手に入っても良いから、いつでも待ってるぜ。」
「はい。今日はありがとうございました。」
レオ達はシルバと別れ、宿に入った。
「いらっしゃいませ。予約されたレオさんとアランさんとドーマさんとネネカさんですね。B-18の部屋です。」
「ありがとうございます。じゃあ、もう遅いから部屋に入ったらすぐ寝よう。」
四人は部屋で一夜を過ごした。
次の日、四人はすぐに起きて、シルバの言っていた建物へ向かった。