花柄のティアラ
シルバと三人は漆黒の花園を歩き続けた。
「……っ、なあレオ、やっぱ夜は眠いな。」
ドーマが眠たそうに目蓋をたるませながら言ってきた。
「僕もだよ。でも、あと少しだと思うから頑張ろうよ。」
その時、魔人形が四体現れた。
「はぁ〜っ、その顔飽きたわ〜。」
シルバが面倒くさそうな態度で言いながら、腰から刀を抜いた。
「”銅の拳”!!うおおおっ!!」
アランの右腕が銅になり、一体の魔人形を殴った。
『シャムシャァッ!!』
「うっ、…!!」
ドーマが魔人形の槌の攻撃を受けた。
「”連続斬り”!!はああぁっ!!」
レオは一体の魔人形を7回斬り、魔人形を倒した。
「いくぞっ!”大海無双”!!」
シルバがそう言うと、刀に水の渦が纏い、その刀で二体の魔人形を斬り、倒した。
「”みだれ矢”!いっけぇっ!!」
ドーマが曲がる矢を放ち、魔人形に命中させた。
「くたばれぇっ!!」
アランが魔人形を殴ると、魔人形は倒れた。レオはLv5になり、特技”回転斬り”を覚えた。
「回転斬りか…。素早い回転を繰り返し、広範囲に攻撃出来る技だな。」
「知ってるんですか?」
レオが質問した。
「当然だ、マスターも似た技使っているからな。」
「……マスター…………?」
「さぁ、もうすぐデカイのが来るぞ。」
シルバがそう言うと四人は歩き始めた。しばらく歩くと、5mくらいの黒くて大きい何かが四人の前に現れた。
「……っ、何だこれは……。」
「来たか、ダーク・フェイク…。」
それは黒い体をして、不気味な仮面を被った大きな悪魔だった。
「お前ら、コイツは今までの敵とは違うぞ!ちなみにヤツは闇属性だ!!」
シルバが大声で言うと、アランが一人でダーク・フェイクに向かって走り出した。
「ちょっとアラン!一人じゃぁっ!!」
レオがアランに叫んだ。
「くらえっ!”銅の拳”!!」
アランが銅の拳で攻撃すると、ダーク・フェイクはそれを右手で受け止め、左手をアランに向けた。
「アラン!危ない!!」
「なっ!!」
その時、ダーク・フェイクの左手から、禍々しい色の波動が出てきた。
「う、うわぁっっ!!!」
「アラン!!」
「くっ、」
シルバがダーク・フェイクに向かって飛び込み、同時に刀を抜いた。
「”炎獅子乱舞”!!」
炎を纏った獅子を刀に宿し、ダーク・フェイクを斬った。
『ギャアアァッ!!』
「う、うぐっ……。」
「アラン!!」
アランが起き上がった。
「アラン、大丈夫か?」
「う、何か…頭がクラクラする……ゥギィッ!!」
「アラン?」
アランがダーク・フェイクの呪いにかかった。
「ウ、ウギャァァァッッ!!……ウギャアアッ!!」
「アラン!しっかり!アラン!!」
レオがアランを揺さぶるが呪いは消えない。
「チッ!だから言ったんだ、ダーク・フェイクの闇属性は呪いにかかりやすいって!」
「……………………言ってないだろ。”みだれ矢”!!」
ドーマが全力で弓の弦を引き、ダーク・フェイクに命中させた。
『シャァァァッッ!!』
その時、ダーク・フェイクがドーマに左手を向けた。
「チィッ!」
「ドーマ!!逃げろ!!」
「あ、そうだ。これを使えば…。」
すると、シルバがアイテムポーチから長い草を取り出し、ダーク・フェイクに投げた。
『ウギィィィッッ!!』
シルバが投げた草がダーク・フェイクの両腕に巻き付いた。
「罠草で拘束した!!今だ、攻撃しろ!!」
「”回転斬り”!はぁぁぁっ!!」
レオがダーク・フェイクに飛びかかり、右回りに回転しながら斬りかかった。
『ギャアアアアッッ!!』
「”狐火”!!からの〜、”乱れ桜花”!!」
シルバの動きが早くなり、桜を纏った刀で何度もダーク・フェイクを斬り続けた。
『ワギャッッ!ウギィィッ!!』
「全ての力をこの一撃にかける!”みだれ矢”!!」
ドーマの放った矢がダーク・フェイクの心臓部分に刺さった。
「やったぞ!」
『ウッッッッ………ギャァアァァァアッッツッ!!』
その時、ダーク・フェイクが粉々に散った。ダーク・フェイクを倒したのだ。すると、ダーク・フェイクが花柄のティアラを落とした。レオは花柄のティアラを手に入れた。ドーマとアランはLv5になり、ドーマは特技”集中”を覚え、アランは”気合いため”を覚えた。
「ウギギッ…!」
「シルバさん、アランが!」
レオが落ち着かない表情で言った。
「心配ない、教会に行って僧侶に頼めばとける。」
「じゃあ、急いでパーニズへ帰ろう。」
レオはアランを背負い、四人はペガサスに乗り、急いでパーニズへ帰った。
時間はかかったが、なんとかパーニズに着き、教会へ走った。
「急げ!アランが!!」
そして四人は教会へ着き、奥に立っていた女僧侶に声をかけた。
「僧侶さん!」
「落ち着いてください。もう真夜中と言うのにどうされましたか?」
「この人の呪いをといて下さい!」
レオが僧侶にアランを見せた。
「では、120セリアをお支払い下さい。」
「俺が払う。」
シルバがそう言って僧侶に1500セリアを渡した。
「釣りは要らねぇ。なおしてくれ。」
「かしこまりました。では……スゥッ…ハァァッ。」
僧侶が深呼吸をした。
「我らの聖なる神よ、この者の呪いをときたまえ!!」
その時、アランの体から闇色の魂が出てきて、それがジワジワと消えていった。
「う、うう…。」
その時、アランが目を覚まし、立ち上がった。
「アラン!!良かった…。」
「ここは…?」
アランが頭をポリポリとかきながら言った。
「パーニズの教会だよ。」
「そうか、ありがとな。」
「それでは、良き夜を…。」
レオ達は教会を出た。




