漆黒の花園
レオ達はペガサスから降りた。カリファ大陸に到着したのだ。
「お前ら、夜のここは強いのがウジャウジャいるから俺から離れるなよ。」
シルバが言った。
「チッ、偉そうに…。レベル低かったら面白いんだがな。」
アランが小さい声で馬鹿にするように言った。
「行くぞ、ついてこい。」
レオとドーマとアランは、シルバについていった。すると、腕に羽のはえた小さな恐竜が現れた。
「おっと、コイツはジュランだ。体が小さくて足も早いぞ。」
その時、ジュランがレオに攻撃してきた。
「レオっ!!危ない!!」
「うわぁっ!!」
「来いっ!”乱れ桜花”!!」
シルバがそう言うと、銀色の刀を抜き、その刀に桜の花びらを纏わせ、ジュランを二つに斬った。
『ギャゥッ!』
半分になったジュランはバタリと倒れた。
「ふぅ……怪我してない?」
シルバが刀を鞘に入れながら言った。
「は、はい。ありがとうございます。今の攻撃は……?」
「あれは乱れ桜花という日本武芸の技だ。」
「日本武芸?」
ドーマが首を傾げて言った。
「あれっ、知らない?職業の中に特別許可職ってものがあって、日本武芸はその一つなんだ。」
「あの…ちなみに、シルバさんのレベルは……?」
「ん?52だが?……兵長なんか80だぞ。」
その数字がレオ達の頭の中を過った。
「おい、レオ。」
アランが声をかけてきた。
「何?」
「コイツらを利用すれば現実の世界へ帰れるんじゃないのか?」
「う、うん……」
「お前ら、目的地はすぐだから歩くぞ。」
四人は歩き始めた。
5分歩いた所だろうか、そこには、禍々しい色をした花園が広がっていた。
「これはひどい。魔王の手はすぐそこまで来ていると言うことか……。」
ドーマが言った。
「お前ら、ここからが本番だからな。くれぐれも……死ぬなよ?」
シルバが言うと、四人は歩き始めた。すると、釘と木槌を持った藁人形が二体現れた。
「魔人形だ。コイツの釘には注意しろ。」
その時、一体の魔人形がドーマに近付き、釘を構えた。
「チィッ!」
ドーマが矢を持って魔人形を斬った。
『グブゥッ!!』
「くらえっ!”銅の拳”!!」
アランの銅の拳が魔人形の顔面に当たった。
『ブギャッ!!』
「”連続斬り”!!」
レオが魔人形を5回斬ると、魔人形は倒れた。
「お、やるねぇ〜みんな。今度は俺だ、…”炎獅子乱舞”!!」
その時、シルバの刀に炎を纏った獅子が宿り、その刀で魔人形を斬った。
『ムギャッ!ギャアアッ!!』
魔人形は火だるまになって倒れた。
「おいドーマ、油断はダメだぞぉ。」
シルバがドーマに向かって言うと、ドーマは「すまん…。」と小さな声で言った。そしてシルバ達は歩き出し、前へ前へと進んだ。すると、四人の前に魔人形とジュラン二匹が現れた。
「今回は少し多いな…お前ら、ちょっと遊んでくるから。」
「あ、遊んで……くる……?」
シルバはそう言うと、右手から緑色の炎を出し、その手を上にあげ、顔につけた。
「”狐火”!!」
その瞬間、シルバのスピードが一気に上がり、一瞬にして三体の魔物を切り刻み、倒した。
「す、すごい…」
レオの口から思わず言葉が出た。
「そんなに早く倒せるなら…最初っから使えよ…。」
アランが下を向いて言った。