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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
13/206

18年前の襲撃

 シルバは、レオ、アラン、ドーマを連れてクエストを受けることにした。


「さ〜て、どこに行けば良いのかな?」


 シルバはそう言って地図をひろげた。


「こ、これは……。」


 地図には、現実の世界とほとんど同じ大陸が描いてあった。


「ん?どうした?……ま、いっか。え~っと、地図によると、…南カリファ大陸の方か。」


 シルバがそう言い、アフリカ大陸の所に指をさした。


「あのぉシルバさん?今アタシ達がいる所ってどこなんすか?」


 ドーマが言うと、シルバは日本の所に指をさした。


「ここだ。カリファ大陸は遠いからペガサスで移動だな。よし、ついてこ〜い。」


 レオ達はシルバについて行った。辺りはもう薄暗く、ただランプや松明の生暖かい光がパーニズの町を照らすくらいだった。




 少し歩くと、シルバは立ち止まった。


「ここだ。」


 奥を見ると、木でできた柵の中に何頭ものペガサスがいた。看板には<ペガサス 24時間貸し出しOK>と書いてある。


「お〜い、ペガサスを四頭借りたいんだけど〜。」


 シルバが大声で言うと、柵の方から老人が出てきた。


「おぉ……シルバ様、どこかへ行くのですか?」

「ああ、今からフラッとカリファの下の方へ。」

「…そうですか。……ところで後ろの三人は?」


 老人がレオ達を見ると、3人は軽く頭を下げた。


「ど、どうも、レオです。」

「アランだ。」

「ドーマだ。」


 レオ達が名乗るとシルバが言った。


「おっと、おっちゃん。ちょっと買い物してくるから待っててくれ。」

「はぃ……分かりました。」


 シルバは商店街の方へ走って行った。


「な、なぁ、老人。」


 アランが老人に声をかけた。


「あのシルバってヤロウは一体誰なんだ?」

「……知らないの…ですか?では18年前の襲撃もご存知無い?」


 老人が質問してきた。


「襲撃?何があったのですか、18年前に?」

「うむ。思い出したくは無いが、18年前に、ダークネスがこの世界を襲ってきたのじゃ。」


 老人の顔が少し暗くなった。


「ダークネスが!?」

「そうじゃ。闇の渦が大きくなると同時に空が真っ黒に染まってのぉ、渦の中からは魔物がゾロゾロと出てきたのじゃ。」


 老人は震えはじめた。


「怖かった。家は燃え、攻撃を受けた者は次々と死んでいったよ。逃げるところなんて世界のどこを探しても無かった。わしの家族も皆……殺された。」


 老人の瞳からは一筋の涙がこぼれた。


「そうですか。」

「で、シルバはどんなヤツなんだ。」


 アランが言った。


「シルバ様は、かつてパーニズの王族であった銀刄家の子供でのぉ。18年前の襲撃で奇跡的に生き残った一人じゃ。今は行方不明の兄を探しているとか。」

「お待たせぇぃ!」


 シルバが大きな袋を持って帰ってきた。


「おっちゃん、出発できるか?」

「はい、いつでもどうぞ。」


 レオ達はペガサスに乗った。


「じゃあ、行くぞ!」


 四頭のペガサスは翼を広げて大空へ飛んだ。


「行ってらっしゃいませ!!」


 下から老人の声が聞こえた。あっという間にパーニズが小さくなり、大陸の一つ一つがクッキリ見えるようになった。


「お前ら、受け取れぇい!」


 シルバがそう言って何かをレオ達に投げ、三人はしっかりと握った。


「お前ら、さっきから飯食ってねぇだろ?トロンコッカーの骨つき肉で良ければ食え。」

「あ、ありがとうございます。」

「チッ!これだけか。」

「おいアラン、要らないのか?」


 ドーマがアランに言った。


「要らん。」


 アランはそう言うと肉を海へ投げた。


「アラン…。」


 その後、1時間もペガサスに乗って飛んでいたが、カリファ大陸はまだ見えず、ただ見えるのは、星空が薄くうつる海だけだった。


「綺麗だなぁ。こんなに綺麗な海、初めて見たよ。」


 レオが海を見ながら言った。


「確かに。今まで夜中に旅をしたことが無かったからな。」


 ドーマが目を輝かせながら言った。


「お~いお前ら、もうすぐ着くぞ。武器やら準備しろよ。」


 その時、大きな大陸が見えてきた。

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