銀刄のシルバ
「へえ~、面白そうじゃん。」
一人の青年が口を開いた。腰の帯には、刀が縛られている。
「お、面白そうだと?キサマ、一体何者だ!!」
アランが言うと、青年は答えた。
「俺か?……シルバだ。」
その時、酒場にいた人々が一瞬で静まりかえった。
「おい、聞いたか?シルバだよ。あれが噂の…。」
「間違い無い。銀刄のシルバだ。」
酒場にいた人々が喋り出した。
「あ?シルバだと?……面白そうって言ったな……魔王の手下か?」
「アラン、初対面なのに失礼だよ。」
「おい、何か言えよ!!」
アランがシルバの腹に殴りかかった。しかし、シルバはアランの拳を左手で受け止めた。
「人をすぐに殴るんじゃねぇよぉ〜。」
シルバは、そう言って、アランの拳を勢いよく押し返した。
「ぬぁっ!!」
アランは吹っ飛び、壁に体を叩きつけられた。
「がはぁっ!!」
「アラン!!」
「あっ……ヤッベェ………」
その時、シルバの後ろにいた男が言ってきた。
「おいおいシルバ、もっと手加減!またマスターに怒られるだろ。」
「だ、誰だ……」
ドーマが言うと、男は名乗った。
「俺はライラ、このシルバと行動している。」
「で、お前ら、誰の仇を取りたいんだ?」
シルバはレオの方を見て言った。
「じ、実は、僕達の友達が死んでしまって、それで……。」
レオが言うと、シルバが答えた。
「ほぅ…、なるほど。じゃあ、俺がパーティに入って一緒に戦ってやるよ。」
「えっ、ちょ、ラ、ライラさん?良いんです?」
ドーマが言った。
「あ〜あ、始まった。シルバは諦めが悪いからなぁ…。悪いけど、シルバをパーティに入れてくれないか?」
ライラが言うと、レオが答えた。
「……分かりました。よろしくお願いします。シルバさん。」
シルバはレオ達のパーティに加わった。
「シルバ、俺、先に帰っとくからな。」
ライラは酒場を出た。
「ん。じゃあ、クエストを受けに行くぞ。あんた、名前は?」
「ド、ドーマ…ですが……」
「ドーマ、そこで気絶している……、アラン?そう、アランを連れてきてくれ。……突き飛ばした事は…無しってことで………無理…だよね〜…。」
ドーマはアランを引っ張ってきた。
「そこの少年、名前は?」
「レ、レオです。」
「よし、レオ。お前らのパーティのレベルは?」
「一応、全員レベル4です。」
「そうか。じゃあ、漆黒の花園にするか。一緒にお友達の仇討ちをしよ〜う。」
シルバは、カウンターの前に立った。
「いらっしゃいませ、シルバ様。」
「漆黒の花園を受ける。これ契約金ね。どぞ。お釣りはいらねぇよっと。」
そう言ってシルバは受付嬢に500セリアを渡した。
「ありがとうございます。では、メンバーの登録をお願いします。」
受付嬢がシルバに紙を渡し、シルバはそこに<シルバ・レオ・ドーマ・アラン>と書いた。
「では、気を付けて行ってらっしゃいませ。」
シルバがレオの所へ戻ってきた。
「よし、行くか。」
「あ、はい。」