大蛇の腕輪
レオはネネカを背負い、アランと共にドーマの所へ向かった。
「ドーマ!どこだ!」
「おい、レオ!!後ろから鱗蛇が追ってきてるぞ!!」
「アラン!前からもだ!」
「クソッ!こんな時に!!戦うぞ!!」
アランは銅の拳で周りの鱗蛇を攻撃した。それと同時にレオは剣を出し、周りの鱗蛇を斬った。全ての鱗蛇は倒れ、レオとアランは走り続けた。
「ドーマ!どこだ!!いるなら返事をしてくれ!!」
その時、レオとアランの目の前に、ブレイドスネークが現れた。
『ススススッ……。』
「くっ、マジかよ…。」
「アラン!避けて!!」
ブレイドスネークが尻尾を大きく振り回し、アランに攻撃をした。だが、アランは攻撃を避けた。
「あっ…あぶねぇ……。」
「アラン!!しゃがんで!!」
「なっ!!!」
『シャャャアッ!』
アランはブレイドスネークの尻尾の攻撃を受け、ものすごい勢いで壁に体を叩きつけられた。
「アラン!!」
「う…うぐっ!強い…。」
「…レ、レオ…。お前…。」
その時、ブレイドスネークの近くからドーマの声が聞こえた。
「ドーマ!!」
ブレイドスネークの下を見ると、ドーマが倒れているのが見えた。
「ドーマ!!大丈夫!?」
『シャアッッ!!』
ブレイドスネークが尻尾を大きく振って攻撃してきた。
「うわぁぁっ!!」
レオは攻撃を受けて壁に体を叩きつけられ、頭からは血が出てきた。
「うぐっ!!がぁぁっ!!」
「まだだぁ!!」
アランは立ち上がり、ブレイドスネークに銅の拳で攻撃した。攻撃はブレイドスネークの腹に当たった。
『シャアアアアッ!!』
「……!!レオ!こいつ、腹が弱点だ!!」
『シャャアアッッ!!!』
その時、ブレイドスネークがアランに噛みついてきた。アランは毒を受けた。
「うっ、……頭がクラクラする……。」
「アラン!!はぁぁぁぁ!!!」
レオはブレイドスネークの腹に向かって、大きく縦に剣を振った。
『シャアッ!!』
「うぐっ、俺も行くぞ!くらえぇっ、”銅の拳”!!はあああっ!!」
アランの攻撃がブレイドスネークの急所に当たった。
『シャアアアッ!!!』
ブレイドスネークは倒れた。
「ドーマ!!大丈夫!?」
レオはすぐ、ドーマの所へ行った。
「うっ、へへへっ。心配ない…。」
「お〜い、レオ!ブレイドスネークからアイテムが取れたぞ!」
アランが大声を出して言った。そこには、大蛇の腕輪が落ちていた。
「これで二つ目の秘宝がそろった。」
「なあ、この装備は誰がつける?」
「ん〜。コレを装備すると、攻撃した時、一定の確率で毒属性の攻撃が出来るらしい。」
三人は悩んだ。すると、レオが言った。
「ネネカに装備させよう。」
「何でだ?アイツは僧侶だから攻撃はあまり出来ないんだぞ?」
アランが反対するように言った。
「でも良いかもしれないな。もしもの時に役に立つと思うし。」
ドーマが言うと、レオはネネカの左腕に大蛇の腕輪をつけた。
「よし。町に帰ろう。もう時期夕方になるだろうし。」
「そうだな。」
レオ達は洞窟を登って出た。
すると、チャナ村の人々がレオ達の帰りを待っていた。
「おおっ!若いのが出てきたぞ!!」
「ただいま。」
「で、どうだった?原因は分かったか?」
「おう。クソデカい蛇がこの洞窟の中に巣をつくっていたんだ。」
「で、倒したのか?」
三人は頷いた。すると、チャナの人々は大喜びした。
「そうかそうか。じゃあ、恩返しをしなくては。お前ら、準備をしろ。」
チャナ村の村長がそう言うと、五人の村人が翼がはえた白い馬を三頭つれてきた。
「お前達には良いことをしてもらった。だから今回だけ、このペガサスでお前さんが来た場所まで連れてってやるからな。勿論、1セリアも払わんで良いぞ。」
「ありがとう村長さん!さぁパーニズへ帰るぞ。」
レオ達はペガサスに乗り、パーニズに向かって飛んだ。ペガサスは大空を走っているようだった。
「なぁ、レオ…ネネカはまだ気絶してるのか?」
ドーマがレオに言った。
「そうみたいだね。そのうち、目を覚ますと思うよ。」
すると、ネネカが目をあけた。
「お、気が付いたか。」
レオが優しい声で言った。
「こ、ここはどこですか?」
「今、ペガサスに乗ってパーニズに向かっているよ。」
「…と言うことは、ブレイドスネークを倒したんですか?」
「ああ、結構強かったぞ。」
アランが自慢しているかのように言った。
「二人だけで倒したから、もっと強く感じたね。」
「お、レオ、ネネカ、アラン、下を見ろよ。」
三人は下を見ると、パーニズが見えてきた。
「もうすぐ到着だぞ。」
その時、レオ達が乗っているペガサスの足が地についた。パーニズに到着したのだ。
「よし、着いたぞ。」
「歩くより何倍も早かったな。」
レオ達はペガサスから降り、パーニズの町に入った。すると、入り口付近で人がたくさん集まっているのが見えた。
「何があったのでしょうか?」
「何だろう、行ってみよう。」
レオ達は人混みを掻き分けて、人々が見ていたものを目にした。
「お、おい……。」
「なっ…なぜ…………。」
そこには、ハルタガ・アリーブ(ハルーブ)とマテラ・アーク(マーク)とパルぺ・オーレ(ペレ)とデルメ・ケーテ(メールケ)が仰向けで倒れていた。体のあちこちに土や血がついている。
「おい、お前ら!しっかりしろよ!!」
ドーマがそう言うと、ガルド・デイラ(ガイゼル)がレオ達に泣きながら話してきた。
「もう…手遅れだ…。四人ともHPは0だし、動きも全く無い…。」
「そんな……。」
その時、ネネカがショックで倒れた。
「ネネカ!!ネネカ!!」
レオはネネカを背負い、病院へ向かった。ネネカをとどけたついでにアランの毒を治したあと、三人で教会へ向かった。
「………くそっ!こんな世界で、あいつらが…くそぉっ!!」
「落ち着いてよ。もう僕達には何も出来ないんだから。あの四人を見届けてやるしかないよ。」
「うるせぇ…。うるせぇ!!俺は悔しいんだよ!!あの四人は、何も悪いことはしてない!!それなのに…。」
歯を食いしばるアランの瞳から涙が溢れ出てきた。
「…………僕、ちょっとクエストの報酬を貰いに行ってくるよ。」
「ああ。アタシは、コイツと待ってるからな。」
レオは酒場に行って報酬530セリアを貰い、教会へ戻った。
「貰ってきたよ。このあと、晩ごはんを食べて宿に行こう。」
レオと二人は酒場へ行き、席に座った。
「おいアラン!さっきレオ言ってただろ?いい加減顔あげろよ。」
その時、アランが席を立った。
「もう我慢出来ねぇ!クエストを受けにいくぞ!!」
アランがそう言うと、カウンターの方へ向かった。
「待ってよアラン!落ち着こう!」
レオはアランを止めて、席に座らせた。
「なんだよレオ!俺はあの魔王に腹が立ってるんだ!!何度も言わせんな!!」
「でも、エレナス兵長も夜は敵が強くなるって言ってたし、休憩も大事だ!!出発は明日でも……!!」
「俺は!…俺はあいつらの仇が取りたいんだよ!!」
その時、紅の衣を着た、一人の青年が口を開いた。
「へぇ~、面白そうじゃん。」