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ティア・イリュージョン  作者: おおまめ だいず
秘宝編
10/206

暗き分かれ道

 レオ達は先に進むことにした。洞窟の中は暗く、松明が無ければ帰れないほどだ。


「なあレオ、なんか寒くないか?」


 アランが白い息を出しながら言った。


「確かに。ここは結構深いからね。太陽の光さえ無い。」


 すると、奥の方から何かがこっちに寄ってきた。


「レオさん、アランさん、ドーマさん、後ろから何か来てます。」

「ちっ、また蛇かよ。」


 二匹の鱗蛇と一匹の鎧蛇が現れた。レオとアランが同時に一匹の鱗蛇を攻撃すると、鱗蛇は倒れた。


「あてるっ!!」


 ドーマの放った矢が鎧蛇に命中した。しかし鎧蛇の纏った鎧のような鱗には矢が刺さらなかった。


「くっ、さすが。鎧のような鱗をもってるな。」


 鱗蛇がレオに毒の牙を向けて飛びかかった。


「レオ!避けろ!!」

「うんっ!」


 レオは鱗蛇の攻撃を避け、鱗蛇に攻撃した。


「まかせろ!!」


 ドーマが鱗蛇に向かって矢を放った。矢は鱗蛇に命中し、鱗蛇は倒れた。アランは銅の拳で鎧蛇を殴ると、鎧のような鱗が割れ、倒れた。


「ふぅ〜。これで三匹とも倒せたな。」

「どうやら、あの鎧蛇は特技に弱いらしいな。」

「そうみたいですね。」

「よし、奥に進もう。このダンジョンは大きそうだ。」


 レオ達は奥へ進んだ。そして、暗い道を四人で歩いていると、100mくらい先に松明の光が見えた。


「なぁ、レオ。あの松明の光ってアタシ達と同じクエストをしに来た人じゃない?」


 ドーマがそう言うとレオとネネカとアランは目を細くして光を見つめた。


「あ、あれってカルマ達のパーティじゃない? おーーい!カルマー!!」


 レオが大声で叫ぶと奥の人影がこちらを向いた。


「おう、レオ達か!ちょうど良かった!!おい、皆行くぞ。」


 そう言ってヒロナギ・カルマ(カルマ)と三人はレオ達のところへ走ってきた。


「やあカルマ、最近どう?」

「この通り、絶好調さ!この洞窟で暮らしたいくらいだ。」


 カルマはクラスで1番の人気者で、ふざけることが多い。


「後ろの方々はどなたですか?」

「スラセフとゲムイラとラルフだ。」

「このダンジョン、結構暗いよな。」

「ああ。それもあるけど、この先はまるで迷路だよ。もう六回は迷ったな。」

「そうか。ま、お互い頑張ろうぜカルマ!」

「おう、アラン!」


 レオ達はカルマ達と別れ、先へ進むことにした。すると、三つの分かれ道が見えてきた。


「レオさん、どうしましょう…。分かれ道ですよ。」

「困ったね。何かヒントのような物が無いと。」

「なぁ、あれは何だ?」


 アランが松明を持ち、下を見た。そこには、大きな牙が1つ落ちていた。


「これは多分、ここのダンジョンのボスの牙だと思う。」


 ドーマはそう言うと、大きな牙を手に取った。


「おっと、この牙ヌメヌメしてるぞ。唾液か?きったねぇ…」

「ちょっと貸して。」


 レオが牙を手に取った。


「……これだ。これだよ。唾液がまだついてるってことは、近くにいるはずだ。アラン、この牙はどの道にあった?」

「左だが?」

「よし、左に行こう。」


 レオ達は左の道を選び、先へ進んだ。すると、今度は二つの分かれ道が見えてきた。


「困りましたね…。前より道は少ないですが、何も落ちていません。」

「…一つずつ進むか。」


 レオ達は右の道へ進んだ。しかし、先に進むと、行き止まりが見えてきた。


「クソッ、行き止まりか。戻って左の道を進もう。」

「ちょっと待って!宝箱がある。」


 そこには、木でできた宝箱が置いてあった。


「開けてみようぜ。」


 アランの言葉を受け、レオは宝箱を開けた。すると、中から赤い指輪が出てきた。


赤い指輪・・・打撃系の攻撃に火属性+5 会心率+3% HP-5


「この装備、誰がつけるんだ?」

「打撃系の攻撃が出来るのは、レオさんと、アランさんと、私です。でも、レオさんはアクセの角の耳飾りをつけています。」

「……アラン、君がつけて。」

「俺で良いのか?」

「だって会心率が上がるんだよ。しかもアランは武闘家だし、HPが多いから、下がっても問題はないと思って。」

「そうか。じゃあ、装備するぞ。」


 アランはアクセ装備として赤い指輪を装備した。


「アランさん…どうですか?」

「んー、ちょっと強くなった気がする。あと体が少しが熱い。」

「火属性の効果だと思うよ。よし、一旦戻って左の道を進もう。」


 レオ達は、少し戻り左の道を進んだ。すると、目の前に鱗蛇が1匹、鎧蛇が2匹現れた。レオは鱗蛇に向け、剣を縦に振った。ネネカが杖で鱗蛇を叩くと、鱗蛇は倒れた。すると、一匹の鎧蛇がドーマに噛みついた。


「っく、痛い!」

「大丈夫ですか?」


 ネネカは、ドーマにレッシュを唱えると、優しい光でドーマの傷口を塞いだ。アランは鎧蛇に銅の拳で攻撃すると、鎧蛇は倒れた。


「よっしゃあ!!」


 ドーマが鎧蛇にみだれ矢で攻撃すると鎧蛇に命中し、鱗が割れた。レオは鎧蛇に連続斬りで攻撃すると、鎧蛇は倒れた。


「よし、三匹とも撃破。どんどん行こう。」


 レオ達は先へ進んだ。すると、そこには、鱗が鋭く、滑らかな皮の大蛇がいた。


「おい、コイツがこのダンジョンのボスなんじゃ…。」


 すると大蛇がこちらを睨み付け、襲ってきた。


「みんな……一旦逃げろ!!」


 四人は後ろへ走り出した。


「なぜ逃げる!?」

「アイツは結構早いから、止まったら潰されて死んでしまう!」

「分かれ道だ!左に行こう!」


 するとレオは一人、右の道へ走った。


「おい!レオ!!どこへ行くんだ!?」

「作戦がある!僕がヤツを誘導するから、君たちは大蛇の後ろを狙って!!」

「レオさん!!」

「心配無い!必ず生きて帰るよ!!」


 三人の目からはレオの姿が消えた。


「大丈夫でしょうか……。」

「よし、ここはレオの作戦で行こう!!」


 すると三人は大蛇の後ろへまわった。


「ドーマさん、あの蛇の名前は?」

「今図鑑で調べてるところだ。…あった!ヤツの名前はブレイドスネーク。『動きが早く、刃のような鱗が特徴。牙には猛毒があるので注意が必要。』だってよ。」

「いくぞ!!」


 アランが銅の拳でブレイドスネークに攻撃した途端、ブレイドスネークはアラン達の方を向いて追いかけてきた。


「に、逃げろ!!」


 三人は走り出した。


「どうするんだよ!!今度はアタシ達が狙われてるじゃねぇか!!」

「……!アランさん、ドーマさん、このまま走って下さい。このあとレオさんが攻撃すればブレイドスネークはレオさんの方を向きます。これを続ければ勝てると思います。」

「そうか、よし。レオ!!ヤツを攻撃してくれ!!」

「分かった!!」


 レオはブレイドスネークを追いかけ、連続斬りで攻撃した。ネネカの予定通り、ブレイドスネークはレオの方を向いた。


「そこだ!!」


 ドーマがみだれ矢で攻撃した。すると、ブレイドスネークは地面に穴を掘って避けた。


「なにっ!?」

「どこにいった?」


 その時、洞窟全体が大きく揺れ始め、上から岩が落ちてきた。


「皆!しっかり壁につかまって!!頭も守って!!」

「キャアッ!!」

「ネネカ!!!」


 その時、ネネカの上から岩が落ちてきた。


「大丈夫か!?」

「…っく!レオ、コイツと一緒に岩をどけてネネカを助けて!」

「ドーマ!どこへ!?」

「ちょっとヤツを探してくる!」

「テメェには無理だ!松明もないのに!!それとコイツってなんだ貴様!!!!」


 ドーマは暗い闇の世界へと走っていった。


「ドーマ………。アラン、すぐに岩をどけよう!ネネカの命が危ない!!」

「そうだな。」


 レオとアランは岩をどかし始めた。岩をどけると、そこには、頭から血を出して気絶しているネネカがいた。


「アラン、薬草を。」

「お、おう。」


 アランはアイテムポーチから薬草を二つ取り出し、ネネカに使った。


「これで何とか助かっただろう。レオ、ネネカを背負え。ドーマの所へいくぞ。」

「ああ。」


 レオはネネカを背負い、アランと共にドーマの所へ走った。

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