∞41また・・・41∞
「!?」
拳銃をオレの脳天へと構え、トリガーを――……
「何やってんのよアホがっ!」
「な、なに!?」
――バンッ!
拳銃の口から弾丸が放たれる。が、それはオレには命中せず、代わりにオレの真横の壁に穴が空いた。
父親が、外した……?
予想外の出来事に困惑しつつも、目の前の光景に目を見開くと――
「シャ、シャマ!?」
そこには、父親が持っていた拳銃を宙へと蹴り上げたシャマの姿があった。
「家族の再会かと思いきや、とんだ茶番ね!」
拳銃を蹴り上げられた父親は、何が起きたのかも分からず、ただ呆然とシャマのことを見据えている。この場に他人が押し寄せてくることは予想外だったようで、どうやら父親も、残りの大男もシャマの存在に気付けなかったのだろう。
蹴り上げられた拳銃がとうとう地面に音を立てて落ちる頃、今度はシャマの蹴りが父親の顔面へと放たれていた。
「……なっ!?」
寸分遅れて我に返った父親だったが、シャマのあまりの速さに目が追いつかず、なんの防御もなしに大男たちの元へと吹き飛ばされていった。
「ふぅ……早く逃げるわよ!」
オレへと振り返りそう言ったシャマは、オレが立ち上がれないのを契機に急に腕を掴み、そのままSTP会議室辺りまで引きずり始めた。
痛い。父親の精一杯の暴行よりも、床との摩擦で腰が痛い。
痛みに涙をこらえるものの、シャマがいたお陰でオレは……また救われたんだな。




