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∞28手紙28∞

 三階の三○八号室、オレは今、自室のベッドで横になっている。いつもだったら、この時間帯は食料を求めに町を探索しているのだが、今になるととても暇を感じる。いや、別にあの頃の生活に戻りたいというわけではない。でも、もう少しハプニングというものが欲しいものだ。


 オレは横になるのもやめ、とりあえず自分の部屋を徘徊はいかいした。そういえば、オレの部屋のお隣さんにリウは挨拶をしておけとか言ってたな。流石に暇だし、いるかどうかはわからないけど一応挨拶をするに越したことはない。すぐさま徘徊をやめ、オレの部屋の入り口の反対側の戸に向かおうとした時、目線の端で何やら青く輝くものが映り、オレは勉強机へと体を向けた。


「……なんだ?」


 気になって覗き見るように輝くそれを見ると、なんと電球の光に、貼り付けてある青く輝くシールが反射した手紙が置いてあったのだ。


 気になって手に取り、誰からかと確認すると、後ろの端に名前が書いてあった。



 ――アイナ。



 誰だろうか? 一瞬開けるかどうか迷ったが、宛先がやはりライさんと、どうやらオレのようだったので、緊張な面持ちで封書を切って中身を拝見した。


 そこに書いてあったのは――




〈初めまして、お隣の三○九号室に住む、アイナといいます。

 手紙を渡すために勝手にお部屋に入っちゃってすいません。

 私はこの断行の島へ二年前に来ました。ですから、普通の子よりこの島のことは沢山知っていると思います。もしわからないことがあったら、私にいつでも聞いてくださいね。

 以上、アイナちゃんからの自己紹介でした♪

 この手紙を読んだら、あなたも書いて↓(そこ)の箱に入れといてね?〉




 矢印の向きに目をやると、三○九号室に繋がる戸の真横に『お手紙入れ』と書かれた箱が設置されていた。


 なるほど。お隣はアイナさんという名前なのか。アイドルというかなんというか、それっぽい名前の子だな。オレは、流石に手紙を書かれたので書き返さねばなるまいと思い、ついでに添えられた新しい封筒と紙に手を付け、椅子に座って書き始める。文などまるっきり書いたことのないオレにとって、手紙というのは困難の一言に尽きるものだ。


 オレは、執筆に悩む度、後ろ頭を猛烈に掻きながら文への苛立ちを我慢しつつ書き続けていた。お昼までには、完成させないとな。


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