表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/31

みゆにっき その1

 わたしは美柚であって、美柚でない誰か。

 もう既に以前の記憶があやふやになっているあたり、もうこの世の者ではないのだと推測する。

 一応、りりかという名前だけがおぼろげに思い出されるが、それ以外は、本当におぼろげだ。

 ただひとつ、分かっているのは。


 ―――ここが、ゲームの世界だということ。


 何故なら、その記憶だけが鮮明に思い出されるからだ。

 自慢じゃないが、わたしはゲームが好きだ。

 特に乙女ゲーはかなりはまっていた方。


 そして、ごく最近やりこんでいたゲームが。


 『華咲く乙女』。


 このゲームは、学園を舞台にしたゲームである。

 しかし、このゲーム、普通じゃなかった。

 開発チームが荒ぶった所為で、当初、18禁でゲームが完成したのだ。

 売り出す際に上層部がこれではやりすぎだと判断。

 急遽、全年齢向けに作成しなおされ、世に出るのが開発から8年後だった。

 売り出されるや否や、どんなキャラにも一癖もあるイベント盛りだくさん(スチル少な目)で、超人気の作品に!

 そして、いよいよ、本来の作品である、荒ぶった18禁バージョンが世に出されたという、濃いゲームだ。

 ちなみに、前半は普通の乙女ゲーなのだが、後半は男性ゲーマーを蹴落とすくらいの難易度を誇るアクションゲームへと早代わりする。

 そのため、クリアした女子はごく僅かだった(わたしはここに入る)。

 本当にあれは、鬼だった。

 すぐさま、開発チームは難易度を調節できるパッチを公開し、ようやく普通のゲーマーでも遊べるようになった。

 ただ、やはり難易度を下げると見れないスチルがいくつかあり、それを見るためだけに鬼のようなアクションをすることになる者も続出し、普通のゲーマーがこのゲームをクリアしたとたんに、他のゲームがぬるすぎるというくらい、酷いものだった(だが、それを乗り越えたときの達成感やスチルゲットは得がたいものであった)。

 そういうゲームだったので、玄人ゲーマーの間では、「このゲームをクリアした者でなければ、玄人ゲーマーではない」なんて言葉が流行るくらいになっていた。いやはや、それが本当の話だから侮れない。


 まあ、それはさておき。

 全てのキャラを攻略し、フルコンプしたわたしにとって、このゲームは愛すべき心の友であり、現実でもクリアできると知って、歓喜に打ち震えたのはいう間でもなく。

 しかも、わたしには、『リセット』という超能力が備わっていた。

 それだけじゃない。

 リセットは他にも恩恵をあたえていた。

 それまでの能力を次回に持ち越すのだ。

 これはとてもありがたい。

 きっとこれは、あの素晴らしきハーレムエンドを見ろという、神の思し召しなのだろう。


 なので、まずは生徒会メンバーを手中にすることを決めた。

 何故なら、生徒会には入らないからだ。

 生徒会に入ると生徒会メンバーとのイベントが見られるのだが、そちらはかなりゲームで堪能している。

 せっかくなので、それ以外の要素を楽しみたい。

 神はハーレムを望んでいるのだから。


 やってみたら、とても簡単だった。

 いろいろと助言をしてくれる親友。

 力仕事を率先して引き受けてくれるカレ。

 数字的なことで助言してくれるコンピューター君。

 雑用を引き受けてくれる可愛いアッシー。

 そして、今回のターゲットであり、ゲームでも懇意にしていた素晴らしき恋人。

 それらがリセット技で、あっという間に手中に収めることができた。

 さて、後はどんなハーレムにすべきか。

 時間はたっぷりある。

 それに素晴らしき技が、わたしには与えられているのだ。


 ふふふふふふ。

 堪能させてもらおうではないか。


 あの脅威の展開まで繰り広げないように。

 

 実はこういう話だったのです。

 それと、18禁展開はしません。

 ここでは、しませんよー!!


 大事なことなので、2回言わせていただきました。ぺこり。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ