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先生と私と……平和な世の中と

 学校の校庭にある大きな木。

 その下で愛を誓った者達は、永遠に結ばれるっていう、話がある。

 そういえば、美柚ちゃんも会長……ああ、もう引退したから、今は元会長かぁ。二人でそこにいって、告白して、キスしたんだって。

 ちょっと羨ましいな。


 なんて、思っていた時期もありました。

「どうしたの、沙奈?」

 今、私は先生とその木の下で……逢ってます。

「えっと、先生。私、まだ学生ですよ? それに回りに学生も、他の先生もいっぱいいますよ?」

 頬がとてつもなく、あっついです。

 心臓もばくばく言っています。

「それが?」

「それが? じゃないですっ!! い、一応、学生と教師なんですから、その、節度を持った行動を……」

「僕、本当の教師じゃないし」

「本当の教師でなくても、周りを気にしませんか!?」

「それに、ここ辞めても平気だし。他のことやればいいよね?」

「そそそ、そうじゃなくって」

 にこっと先生は微笑みます。

 っていうか、あの戦いが終わった後、なんかの封印が解けたのか、先生からのアプローチが凄まじいことになってますよ、先生!!

「ねえ沙奈、知ってる? ここで愛を誓ったら、永遠に結ばれるんだって。美柚だって、そうしたみたいだよ?」

 沙奈もしてみない?

 なんていわれちゃったら、こくんと頷くしかないですよね? ね?

「じゃあ、さっそく……愛してるよ、沙奈。世界が敵に回っても、たとえ神が僕らの敵になろうとも、僕は沙奈。君だけを、永遠に愛し続ける。ずっと君の側で君の味方で、君の騎士だよ」

 はわわわわわっ!!

 こんなん言われて、ころっといかない女はいないと思うっ!!

 ていうか、何もいわなくたって、先生は格好いいし、それにそれに……!!

「ほら、次は沙奈の番」

 そういいながら、手の甲にキスしないでくださいっ!!

「……わた……も……す……」

「何? 聞こえないよ?」

 うううう、こういうときは、先生、すっごく意地悪だよねっ!!

「私も、永遠に愛しますっ!!」

 って叫んだら、皆に注目されちゃいました。

 うわああああ、聞かれた、これ全部聞かれたよ、これっ!!

「もう諦めたら? 公認だよ、あんた」

 って、美柚ちゃんっ!?

「そうそう、お似合いのカップルだって噂されてるよ」

 って、元会長までっ!!


「ああんもうっ!! 好きにしてっ!!」

 投げやりにそういったことを、私はすぐさま後悔することになる。

「じゃあ、遠慮なく。もう授業も終わってるしね」

 ひょいっと、先生は私をお姫様だっこして。

 ええええ?

「大丈夫、怖くないから。ああ、ただ僕から離れられなくなるかもしれないけど、まあいいよね?」

「えっと、せん、せい……?」

「好きにしてって言ったのは、誰だっけ?」

 こういうときに限って、真面目に受け止めるんだよね、先生!!

「ああああーーーっ!!!」


 今日もとってもいい天気です。

 ええ。

 明日もきっと、平和で幸せで。


「私、これでも副会長なんだけどっ!?」

長いお付き合い、ありがとうございました!!


ところで、番外編として、先生編読みたい方、いらっしゃいます?

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