一人生徒会、終わりのお知らせ
そして、いつもの学園生活が始まりました。
私はいつものように、生徒会と陸上部との掛け持ちです。
陸上部の練習が終わったら、生徒会での仕事のチェック。
確か、来週あたりに新入生歓迎会とかがあるんだよね?
それに、大会も近いし……うぬぬ。
とにかく、また、早いうちに先生に寝まわししておかないと。
そういえば、中間テストももうすぐだったっけ?
本当、忙しいよねー。
他にもなにかあったっけ?
んーと……。
走りながら考えていると、ふと、目の前が真っ暗になった。
「えっ?」
そして……気がついたら、そこは保健室で。
「柊さんっ!! 大丈夫? 気分はどう? 病院に行くかい?」
心配そうに声をかける……え? 浅樹先生?
っていうか、ななな、なんで、浅樹先生!?
「だ、大丈夫です! それにやらなきゃいけないことがありま……」
そういって、立ち上がろうとして、立ちくらんだ。
のを、浅樹先生が、そっと支えてくれた。
「こら、大丈夫じゃないじゃないか。保健の先生は過労じゃないかっていってたけど、どうしてこうなったか、教えてくれる?」
その、有無を言わさぬ言い知れぬプレッシャーに押されて、私はとうとう、白状しちゃいました。
一人生徒会になってること。
陸上部に所属していること。
特待生だから、成績も維持しなくてはいけないこと。
私が話すことを、全部聞いた上で。
「一人生徒会? だって、生徒会ってちゃんと役員がいるんじゃ……」
そう先生は尋ねてきた。
「ああ、先生入ったばかりで知らないんですね。会長や監査、書記、全員、使い物にならないんです。残念なことに」
先生、今年から入ってきた新任だったよね。
その割には、三年生を任されるなんて、どんなスキル持ってるんですか。
ちょっとそこらへん、後で聞いてみたいところです。
「使い物にならないって、この学校、かなり行事があって忙しいんじゃないの? 何とかしないと」
真剣な眼差しでそういう浅樹先生に、私は思わず笑います。
「それができたら、苦労しませんよー。でも大丈夫です。前年度も何とかなりましたから」
「だからって、一人で背負わせるには、重い仕事だよ。それに部活も勉強もあるんだろ? 生徒会は何をやってるんだ!」
うわ、ももも、もしかして、本当に怒ってるっ!?
「だ、だから、本当にダメなんですよ。あの子がいる限りは」
必死に止めるかのように私は続いて、そう先生に告げたのです。
「………あの子?」
先生が言い返してきました。
あ、あれ? なんだか先生、さらに凄いオーラを纏ってるような気がするのは気のせいですか?
「え、えっと、2年の……望月、美柚さん……」
「ああ、僕のところに来た、あの子か……」
なんだか、雲行きが変わってきました? 気のせいですか?
しかも、にやりと何かを狙いすましたような、ハンターのような先生の顔に私はこっそりと、そわそわしたのでした。
っていうか、先生、美柚ちゃんと会ったんですか?
いや、それよりも美柚ちゃんの手の早さに驚くところですか?
いよいよ動き出しますよー。
にやにや。