表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/31

今日はエイプリルフールですか!?

「ふえええええええっ!!!」

 思わず、私は大声を上げてしまった。

「はい、柊さん。元気があっていいですが、ちゃんと席に座ってくださいね?」

 めめめめ、目の前にいるのは、ついさっき会った、素敵な男性こと。


 かつかつかつっと、綺麗な字で彼は、黒板に自分の名前を書いた。

「では、改めて。このクラスの担任になりました、浅樹羅那あさぎらなといいます。担当は英語となります。皆さん、どうぞよろしくお願いしますね」

 にこっと、えっと、その。


 なんで、私に向かって、笑顔を振りまいているんですかっ!?

 というか、私の担任の先生でしたかっ!?


 もう、どこから突っ込めばいいか分かりません。

 思わず、教室に張られているカレンダーを凝視しちゃいましたよ。ええ。

 残念ながら、今日はエイプリルフールじゃなくて、4月6日でした。

 ついでにほっぺたも、つねってみます。

「いたたたっ」

 そんな様子を見て、浅樹先生は、にこにこと微笑んでいらっしゃいます。

 ううううううう。

 だ、だから、その笑顔が、心臓に悪いというか。

 心臓が、ハードにうごきっぱなしで、死にそうです。いろんな意味で!


 そんなこんなしている間に、ホームルームは終わっちゃってて。

「柊さん、みんな帰っちゃいましたよ?」

「ふ、ふわいっ!」

 いいいいい、いつの間にか、先生と二人っきりなんですががががっ!!

「かかかか、帰りますっ!!」

 がたがたと急いで鞄にプリントとかを詰め込んで、立ち上がって。

 がしゃーんっ!!

 えっとその、盛大に鞄から零しました。

 入れたやつ、全部(涙)。

「そんなに慌てなくてもいいのに」

 先生は落ち着いた様子で、それを拾ってくれます。いや、拾わなくていいですからっ!!

「すすす、すみませんっ! ありがとうございますっ!!」

 奪うように先生の拾った筆箱を受け取って。

 かしゃーん!!


 コントかっ!!

 泣きながら、自分に突っ込みました。

 ついでにくすくすと先生の笑い声が聞こえるのは、うん、気のせいということにしておきます。はい。

「ううう、とととと、とにかく、ありがとうございましたっ!!」

 もう一度、拾おうとして。

「あっ」

 先生と手と手が触れ合った。


 ぼぼぼぼ。

 顔が、急に突然、マッハに熱くなった。

「もうそれ、いいですっ!!」

 ばっと離れて、鞄を掴んで帰ろうとした。

 したんだけど、先生が手を掴んだ。

「駄目だよ、これ忘れたら困るでしょ?」

 すっと、スマートに先生は、私の筆箱を鞄に入れてくれて。

 ぽんと肩を叩いて。

「さようなら、柊さん」

「さ、さようならっ」

 なんだか、見送る先生を見て、きゅんとしちゃったのは、うん、気のせいだと、思いたいっ!!


 ねえ、明日から私。

 生きていられるかな?

 本当に、いろんな意味で。

翻弄される沙奈っちをお楽しみください(笑)。

これからも(笑)。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ