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おまけ勇者の奮闘記  作者: 緑光
第一章 やるべきことはいろいろと
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第五話 初めての遠出

アークスさんとの個人レッスンが始まり二週間ほどが経過した。アークスさんは教えるのが上手く僕は回避技術と攻撃の精度が飛躍的にのびた。これは嬉しいことかな?

そして今日はシーネルさんに呼びだされている。


   ------------


「用事なんてなんだろうね?ケイ」


「知らないよ。行けば分かるよ」


「そうだよね、流石ケイ(何も考えてないね)」


それ、流石と言うことかな?誰でも言うと思うけどなぁ。


僕が疑問を持っている合間にシーネルさんの指定した部屋に着いた。


[コンコン]「失礼しまーす」「失礼します」


……なんで僕も真衣も学校の職員室に入る時のようなこと言ってるんだろ。


「忙しいとこすみませんね、2人とも」


部屋を開けて目の前にある机にシーネルさんが座っていた。


「別に忙しくはなかったよ」


「かまいませんよ」


「すみません、そう言ってもらえると助かります」


なんかこの人の口調って毎回よく変わるな。どうでもいいけど。


「それで、用件とは?」


「はい、それなんですけどそれは一旦置いといてこちらの世界に来てかれこれ三週間少し経ちましたが、どうですか?少しは慣れましたか?」


………これっていわゆる社交辞令というやつかな?


「まあ、ちょっとは……」


「私も……」


……2人とも微妙な返答だな。シーネルさん苦笑いしてるし。


「はは、流石に三週間では慣れませんよね。では、本題に入りますが」


さあ、果たして!


「ちょっとこの世界を見てみませんか?」


え~と、それはつまり、


「旅に出ろってことですか?」


「はい、つまるところそういうことです。どうでしょうか?」


………う~ん、どうし……


「いいよ」


え!?


「ちょ、なに即答してんの!少しは悩もうよ!」


「え?だって悩んだところで答えは変わらないんだから即答しても変わらないでしょ」


くっ、正論だ。


「あの、とりあえず引き受けますけど、私たち2人ってことは無いですよね?」


もう、次の段階か。


「いえ、それは流石にしませんよ。私たちの中から実力者を選出して決めます」


「指名はあり?」


「ええ、その者の実力が確かなら」


「指名ありだって、ケイ。どうする?誰にする?」


え?どうしようかな。


「じゃあ、アークスさんはどう?」


というか他に思いつく人がほとんどいないんだけど。


「うん、いいよ。じゃあ私からはルイネルさん」


なんで!?


「だってケイとよく稽古してたし」


え~。


「ということでこの2人はどうですか?」


「はい、その2人なら実力としても十分でしょう。では早速その2人に連絡をします」


と、言いながらシーネルさんは昔の携帯電話みたいなのを取り出した。


「それって何ですか?」


「ん?ああ、これは簡単に言うと通信用の魔法具だよ」


ふーん、そんなのもあるんだ。


「ああ、私だ。悪いがアークスとルイネルを連れてきてくれないか?…………………ああ、勇者のご指名だ。………………分かった。では……」


本当に電話みたいだ。


「2人ともすぐに来るそうです」


「すぐだって」


いや、反復しなくていいから。


[ゴンゴン] 「どうぞ」


「「失礼します」」


みごとにシンクロした声でアークスさんとルイネルさんが入ってきた。


「よく来た。2人とも」


「はっ、それでご用件とは?」


あっ、アークスさんが聞いてんだ。


「ああ、実は勇者とお……勇者たちに少し旅をさせようと思ってな。その旅間の護衛を頼みたいんだ」


今、絶対おまけって言いかけましたよね。


「はあ、しかしなぜ私たちなのでしょうか?」


「彼女らのご指名だ」


「そうなのか?」


ちょ、ルイネルさん、ここで僕に聞きますか?


「あー、はい、そうですね」


「まあ、そういうことだ。2人とも、引き受けてくれるか?」


「それはもちろん、お引き受けします」


「当然引き受ける」


「2人とも、ありがたい」


「やったね!」


真衣。僕はそんなにテンション上がらないよ。


「じゃあ2人ともよろしくね!」


「承知しました」


「任せろ!」


……もう僕の意見は通ることって無いんだな。


「それじゃあ、三人とも、頑張ろーう!」


「「「おー」」」


ああ、遂に僕は旅立ちをすることになるのか。

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