第三話 そこにいた人
そうこうしている内に僕と真衣は外庭に着いた。
「わぁー、すごく……………」
……………………………。
「何もないね。ここ」
うん、ないねここ。だって見渡す限り木と草原という風景だ。
「ここはなにもないようだから他に行こ…」
「まって、ケイ。あそこにだれかいるよ」
え?…………本当だ。かなり遠くに人がいる。
「どうする?話しかけてみる?」
「ってそう言いながら歩いてるよね!話しかける気まんまんだよね、それって!」
「バレた?」
バレバレだよ。というか隠す気なかったでしょ。
「まあ、話してみようよ。人間関係は大事だよ」
普通にまともなことを言ってきた。
「分かったよ」
「じゃあ、いってみよー」
……本当、元気だね。
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着いた。そこにいた人は大体二十歳ちょっとぐらいの男性だった。
「あのー、何してんですか?」
真衣が話しかけた。
「ん、ここにいただけだよ」
それ、答えてませんよ。
「なんでここにいるの?」
「こういう場所が好きだからさ」
あ、いわゆる自然が好きな人ってことか。
「趣味?」
「まあ、どっちかというと趣味かな」
「へ~、ケイよりはまともな趣味だね」
「ちょっとまって、僕別に変な趣味なんてないよ!」
「え?よく1人で説明口調の考え事とかしてるでしょ」
「それは別に趣味でもなんでもないよ!」
「そうだったんだ。ごめんね(棒)」
せめて棒読みは止めよう。ほら、そこの人もちょっと驚いているよ。
「あの、すみませんがあなたの名前ってなんですか?」
話の打ち切りを宣言するように僕はこの人に話をふった。
「え?ああ、私はアークスといいます」
「アークスさんですか。僕は三橋ケイといいます」
「私は庄司真衣だよ」
「ん?………ということはあなたたちが先日召還された人方ですか?」
え、この人僕たちのこと知ってんのかな?
「うん、そうだよ。私が勇者ー」
「そして、僕は勇者のおまけです」
「はい?おまけ?」
驚くよね。普通は。
「別に気にしないで下さい。もう気にもしてませんから」
「気にするよ!」
ここで真衣!?
「なんでケイがおまけなの?絶対ケイが勇者のほうが………ほうが……………」
真衣……………。
「おもしろい。とか言うの?」
「えっ?なんで分かったの?」
それは簡単だよ。
「だって顔がおもしろがってたよ」