第三話 勇者に認定
決め顔うんぬんはおいといて。
「それで誤作動で僕たちは召還されたのですか?」
「はい、おそらくそのとうりでしょう」
…………………………それ。つまり。
「僕たちただの被害者ですよね!」
「まあ~はい、その、まあ、そうですね」
開き直ったよ!この人!
「それはないですよ!早く戻してください!」
「それはできません」
なんで!?
「これは召還魔法であって送り返すようなことはできないのです」
……なぜ子どもをさとすような言い方なんですか。
「それで誤作動起こして私たちが呼ばれたんなら私たちが勇者の可能性があるんじゃない?」
あっ。確かに。さすが真衣、変なとこで常識的。
「そうですね!きっとそうですね!」
なんでそんなに元気になるの。
「じゃあ、さっさと調べたら」
「はい、ではこちらにどうぞ」
と、真衣と魔法陣を作っていた人たちがどこかに向かっている………あれ、僕は?
「ちょ、あの、僕は?」
「あっ!」
今の<あっ>はなに。
「ごめん、ケイのこと忘れてた」
……忘れないでよ
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そして僕たちはなんかよくわからないものがたくさんある部屋にやってきた。行く途中の話は特に何もないので割愛させてもらう。
「それで、どうやって調べるの?」
興味津々だね。真衣。僕は早く帰りたいよ。
「はい、そこの床に書かれてある魔法陣の中央に乗っかってください」
あんがい普通だね。もっと派手かと思ってた。
「簡単そうだね。じゃあケイどうぞ」
えっ、そこは真衣からじゃないの?
「だって難しそうだもん)
……あなた、今簡単そうって言ったよね。
「やだよ、だいたい僕は勇者でもなんでもない」
「じゃあ早くやって」
なにがどうじゃあなの?
「わかったよ」
そう言いつつ僕は魔法陣の上に乗っかった。
「………………………………」
「………………………………」
「………………………………」
何もおきないね。
「どうやら、あなたは違ったようですね」
「えっ、ウソ」
「何がどうウソ何なのさ」
「いや、言ってみただけど」
からかわないで。
「じゃあ次どうぞ」
「わかったー」
今度は真衣が乗っかった。
「…………わっ」
なんか魔法陣が輝いた。
「おぉ、どうやら勇者はあなたのようですね」
あっ、真衣が認定された。
「えっ、やったー」
「いや、喜んでる場合じゃないでしょ。こういうのってだいたい魔王退治とかされるんだよ」
僕が真衣を落ち着かせようとしていると
「ちょっとお待ちを、我々は別に魔王退治などといったことをお願いするつもりなどありませんが」
「そうなんですか?」
「はい、というよりもこれは国の方針で行っていることですよ」
………この国の人たちって
「じゃあ私はなんかする必要あるの?」
ここで真衣。
「召還された人間で勇者としてその国の象徴の象徴となり各地を回ったりすることになります」
「まわるだけ?他には」
「他には各地で何かしらの依頼を受けるなどをしたりしますね」
「それぐらいだったら別にいいよー」
「本当ですか!?ありがとうございます。あっ!スミマセン、伝え忘れていました。私は魔法師のシーネルと申します」
「私は庄司真衣。真衣でいいよ」
「はい、よろしくお願いします。真衣様」
「いや、様付けはいいよ」
「失礼しました。では早速こちらのほうに」
「はーい」
となんか話がついた様子でまたどっかに行こうとしている。
「あの、僕は!?」
行こうとしていた人みんなが「あっ」みたいな顔をした。また忘れられてた?
「えーと、勇者が決まったのですからできれば帰したいのですが………」
なんで言葉が濁るの?
「勇者といっしょに来たということは帰るときも勇者といっしょでなければならないということになりますし、勇者を今元の世界に帰すことはできませんから………すみませんが、あなたもいっしょに来てください」
「やったーケイもいっしょー」
「えっ、あの、勇者じゃないのにですか?」
「えーと、大変申しづらいことなのですがあなたは勇者という個体についているものだと思われますのでできればついて来てください」
………………………それ。
「ただのオマケじゃないですか!?」