ここちゃん、あんことおもちはややこしい!?
今日は春分の日です。
春のお彼岸の中日にあたる日ですが、ここに一人、頭を悩ませている人がいます。
「春分の日ねぇ。春分の日と秋分の日は何すんのかよくわかんないよなぁ。あっ、おはぎ食べるんだったよな!」
「ぼたもちね」
「あ〜ら美波さん。知ったかぶりちゃんなんかしちゃって! あれはおはぎって言うんだぞ! もち米をあんこで包んだ…………って、ぼたもちも一緒じゃないか! どゆこと?」
「どゆこと? じゃないわよ。知ったかぶりちゃんなんて言ってくれちゃって、ちゃんと知ってる子さんなんだから!」
ネーミングセンスの無さは、お料理に勝るとも劣らない私ですが、そんなことはどうでもいいんです。
おはぎとぼたもちの違い、皆さんも知ってますか?
「春のお彼岸の時期に食べるのは『おはぎ』で、秋のお彼岸に作られるのが『ぼたもち』なんだよ。由来はその季節に咲く花からきていて…………まぁ見分けはつかないわよね」
正確には、つぶあん、こしあん、大きさ、形など、ちゃんと違いはあるようですが、そんなことより美味しければいいのです。と、ここちゃんは思ってるはずです。
「なぁなぁ美波。じゃあ串に刺さったあんこの団子は?」
「それは串に刺さったあんこのお団子でしょ! あれを見て、おはぎと間違う人なんていな……」
小さく手を挙げるここちゃん。
「何で間違うのよ!」
「だってあんことおもちじゃん。あっ! じゃあおまんじゅうも……」
「今自分でおまんじゅうって言ったじゃないのよ! ちなみにお汁粉も違いますからね!」
ここで先手を打っておかないと、ここちゃんの間違いがさらにエスカレートしていくと思ったのですが、想像を超えてくるのがここちゃんでした。
「ぷぷっ! 美波。お汁粉はおはぎじゃないよ。あれは飲み物だ。知ったかぶりちゃんが再登場ですねぇ!」
「お汁粉は飲み物じゃなく食べ物! 知ったかぶりちゃん違うわ! そちらのお間違いちゃんは、とっととお引き取り下さい!」
「えっ……お汁粉は食べ物で、カレーは飲み物で……えっ? 何がどうなってるんだ?」
「こっちが聞きたいわよ。落ち着きなさい。カレーも食べ物よ」
ここちゃんは信じていた者に裏切られたような顔をして、足取り重く帰って行きました。
「秋分の日も同じこと言うのかしら……」




