ここちゃん、アイドル加入!?
「この子たち、かっこいいわよね」
「おばちゃんは誰推しですか?」
「そうねぇ、やっぱりレン君かしら」
「わぁ、国宝級イケメンですもんね」
かぁちゃんと美波は、何を話してんだ?テレビからダンスを踊りながら明るい歌声が流れている。
「かぁちゃん、自分で産んだ息子を差し置いてレン君がかっこいいとかダメでしょ」
「あら、そう? 息子よりレン君でしょ。このイケメンぷりは、目の保養よねぇ」
謎が語りかけてきたぞ!そうか、かぁちゃんは、俺に歌って踊れるアイドルになって欲しいんだな。そういう事が。
「かぁちゃん、俺に歌って踊れるアイドルになって欲しいんだな。でも、そんなことになったら大変だぞ。息子が手の届かない存在になっちゃうぞ。うんうん、テレビの中でしか会えなくなっても良いのか? 寂しがると思うから考えた方が良いと思うよ」
「ここちゃん、なに妄想してるのかわからないけど、早く宿題しないと終わらないよ」
ほえっ、そうだそうだ。
「美波、サイン書いてあげるから宿題のノート貸してみて」
「嫌だよ! じゃあ、帰るね。おばちゃんおやつごちそうさまでした」
「美波ちゃん、またいらっしゃいね。気をつけてね帰るのよ」
「かぁちゃん、気をつけてって近所やん」
「九は、九で良いのよ。ふふっ」
かぁちゃん、なんだかんだ言いながら俺がいちばん好きなんだな。




