表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/64

ここちゃん、先っぽどこいった!?

 今日はここちゃんが手袋を買いに行くからついてきて欲しいと頼まれたので、アパレルショップに来ています。


「手袋って言っても、いろんな種類があって悩むなぁ」


「デザインなのか、機能性なのか、お値段で選ぶのか。ここちゃんはどんなのがいいの?」


「指が五本入るのがいい!」


「ミトンが除外されただけで、選択肢が全く減らない答えね」


 手袋を前にこんなやり取りをしていると、店員さんがやって来た。


「何かお探しですか?」


「こういう形の物を探しています」


 ここちゃんは店員さんに向かって、手をパッと開いて見せた。


「見つかるといいですね」


 そう言って店員さんは仕事へと戻って行った。


「ねぇ、ここちゃん。今の店員さん何だろうね? 見つかるといいですねって言っただけで、選んでくれたりとかじゃないんだね」


「あんなこと言ってくれる人いないよな」


「えっ? まぁそうだけど。あれだったら声掛けて来なくてもよかったよね?」


「美波。俺はお前をそんな子に育てた覚えはないぞ」


「私も育てられた覚えはないわよ!」


 すると、さっきの店員さんが再びやって来た。


「手袋を買われるお客様は、手を温めたくて買われていきます」


「あっ! それ俺も同じです!」


「あと皆さん、両手分買われていきますよ」


「えっ! またまた同じだ! 何か怖くなってきたなぁ」


「私はもうちょっと前から怖くなってきてたわよ」


 もうどれでもいいから手袋を買って、早く店を出たいと思っていると、ようやくここちゃんが決めてくれました。


「俺これにする!」


「ありがとうございます! とってもお似合いですよ」


「選んだだけでお似合いって! ん? ちょっとそれ指先出てるやつじゃない!」


「かっこいいだろ? 俺のために作られたみたいだな」


「ええ。そちらオーダーメイドですので」


「誰のオーダーメイドよ! それ売っちゃだめでしょ!」


 イライラとする私の脳裏に、もう私が作るしかないと浮かんだのですが、出来上がりが手袋を必要としない季節になりそうだったので即却下しました。


「指無い分お値引き致します」


「どんなお店なのよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ