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ここちゃん、お風呂上がりの一杯は!?

「とうちゃん! かぁちゃん! 風呂がプールになってる!」


 どうやらここちゃんの家のお風呂が壊れてしまい、近くの温泉施設に行ってきたらしいのですが、そこで出会った謎について聞いてくれと、夜だというのに呼び出されたのです。


「なぁ美波。何でなんだ? 俺はずっと一択だったのに、マジョリティだと思っていたのに!」


「あの、ここちゃん? 話が見えないんだけど。えっと、常識だと思っていたことが、実は非常識だったみたいなこと?」


「えっ? どういうこと?」


「こっちのセリフなんだけど! 教わってない上に、テスト範囲外から出題するのやめてくれる!?」


「まぁまぁまぁ。一旦風呂でも入って落ち着けって……あっ、そうだ! その風呂のあとのことなんだよ!」


 一回忘れてたよねという気持ちを抑え、ようやく本題に入ってくれたことに安堵した。


「お風呂のあと?」


「そう。ああいう場所の風呂上がりと言えば?」


「う〜ん……牛乳?」


「…………だよなぁ!」


 クイズ番組の大物司会者がする、たっぷりのタメみたいな正解発表はさておき、ここちゃんはそこに、私を呼び出すほどの謎を見つけたようです。


「お風呂上がりは腰に手を当てて牛乳だよな!」


「ポーズは別にいいけど、イメージは牛乳よね。けど、それを覆す飲み物を飲んでた人がいたってことね? それでその人は何を飲んでたの?」


「それがな……カレーなんだよ! 俺はもうびっくりしちゃってさぁ!」


 あれ? それって飲み物なんだっけと、一瞬考えようとしたけれど、すぐさま違う違うと一蹴した。


「なっ!? びっくりしたのはこっちよ! それ飲み物じゃないんだけど! ただの食事じゃないの! きっとお水飲んでたでしょ!」


「全く美波は、カレーだけにピリピリしちゃってさ」


「ここちゃん? いいのよ? 激辛をお見舞いしてあげても」


「福神漬けも付けてくれよな」


 ゴゴゴコゴと、音が聞こえそうなくらい、握った拳が震えている。


「時間を返しなさぁぁい!」


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