ここちゃん、間違った豆まき!?
節分。それは豆をまいて鬼を追い払ったり、恵方巻きを食べて、縁起を取り込むといったことをする訳ですが、ローカルルールみたいなものが沢山あるらしいと、最近テレビで知りました。
「へぇ〜。今年は二月二日が節分なんだな。なぁ、美波? なんで?」
「なんでって言われても、私も知らないんだけど」
「残念でした。美波は知ってることしか知らないな」
勝手に残念がられ、知ってることしか知らないという謎の日本語を繰り出すここちゃん。
「じゃあここちゃんは知ってるの?」
「はっはっはっ! 美波はおバカだなぁ。俺が知ってるわけないだろ?」
謙遜なのかアレなのか、ここちゃんは今日も平常運転のようです。
「ところで美波。豆まき用の豆用意したからやるよ。ほれ」
こういう行事やイベントの時のここちゃんは、率先して準備をします。
「ありが…………と? ここちゃんこれは?」
「あぁ。アーモンドとぉ、カシューナッツとぉ、くるみとぉ……」
「へっ? ミックスナッツで鬼を追い払うなんて聞いたことないんだけど!」
「俺だって聞いたことないよ! でもお豆さんコーナーに売ってたもん!」
「ミックスナッツだからね!」
という訳で、今年はおそらく世界初となるミックスナッツまきで節分をお送りすることとなりました。
「なぁ、美波。最後に年の分食べるってやつ、どうしたらいい?」
「何にも考えないで買うからこうなるんでしょ。そもそもミックスナッツ自体が異例なんだから、適用外ってことでいいんじゃない?」
「えぇぇ! 俺一年健康で過ごしたい!」
「じゃあこの豆じゃなかったわね!」
「ちぇっ! 美波のあほ〜!」
その一言で私の中の鬼が覚醒すると、ここちゃん目掛けてナッツをポイポイと投げ始めました。
「あほは〜ここ! あほは〜ここ!」
鬼がミックスナッツをまく節分。これも多様性というものなのでしょうか。




