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ここちゃん、雪遊び大作戦!?

 新学期早々、数十年に一度という大寒波が到来するということで、今日は休校になりました。


 テレビの天気予報では、不要不急の外出を避けるようにと繰り返し伝えられていますが、ここちゃんはそんなことお構いなしといったスタンスで、雪を待ちわびています。


「なぁ、美波! すっごい雪降るんだろうな!」


 縦に手を広げながら期待の大きさを表しているのか、はたまた、そのサイズの雪が降ってくると思っているのか、ここちゃんなので、後者の線も捨てきれません。


「道路凍ったりすると危ないよね」


「道路が……凍る?」


 斜め上を見るここちゃんの頭の中で、どんな光景が繰り広げられているか分かりませんが、おそらくそれは起きないと思う。


「雪だるまにぃ、かまくらにぃ、いちごにぃ、メロンにぃ……」


「ストップストップ! 後半かき氷注文してるから。雪なんて食べたら体に悪いよ」


 目を大きく開き、口を開け、嘘だろ? という表情を見せるここちゃん。


「じゃあやりたいこと半分以上出来ないじゃん!」


「半分以上、食べること考えてたんかい!」


「えぇ〜、じゃあ雪ってなんのために降ってくるんだろうな?」


 遠い目をしたここちゃんは、空に向かい呆れたように首を横に振っています。


「美波は雪でやりたいことないのかよ」


「雪でねぇ……」


 考えてはみるものの、雪が降って喜んで外に飛び出していたのは小学生までだし、ここちゃんが誘って来るから、何となく付き合って遊んでただけで、今となっては、楽しさより寒さが勝ってしまうお年頃なのですよ。


「ねぇ、ここちゃん」


「ん? 何かひらめいたか?」


「まだ雪降ってないよ」


「…………」


 大寒波より冷え込んだ一言に、ここちゃんは鼻からつららをぶら下げながら、固まってしまいました。


 世界から色がなくなる冬より、私はやっぱり春が待ち遠しいです。


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