表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/64

タネと仕掛けのイリュージョン!?


「うわぁお! なぁなぁ美波。これどうなってんだろうな?」


 私とテレビを交互に観ながら、ここちゃんは今、テレビのイリュージョンショーに夢中です。


「タネと仕掛け満載なんたろうけど、それにしてもわからないよね」


「いやいや、ちょっと待て。今タネと仕掛け満載って言ったか?」


「うん。それがどうしたの?」


「美波はわかってないなぁ。いいか? さっきこの人は、タネも仕掛けもないって言ってたぞ。そもそもそれじゃイリュージョンじゃないだろ」


 ここちゃんの何でも信じる純粋なところ嫌いじゃないんだけど、それにしても信じすぎる。


「あのね、ここちゃん。それがイリュージョンなのよ。タネと仕掛けがなかったら、どうやってこんなこと出来るのよ」


「で……でも、この人」


「身近な人が犯人だったことを知った主人公みたいなリアクションしないでよ」


 ああ神様。私はいいお客を一人、テレビの中のあの人から奪ってしまったようです。


 その後のここちゃんは、その人のショーが終わるまでずっと。


「嘘つきっ! 信じてたのに! お金返せぇぇ!」


「いや、ここちゃんお金払って観てないでしょ」


「そうか。おいっ! 嘘つき、ごめん!」


 ちょっとアレなところもあるけれど、私はそんな正直なここちゃんが……。


「なぁ、美波。俺と美波でやってやろう。タネも仕掛けも無い、あの体が半分になるやつ」


「出来るかぁぁ!」


 こんなことの繰り返しで、私は毎日楽しく過ごせています。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ