ここちゃん、おめでた大集合!?
「素敵だなぁ」
晴れ着に身を包んだお姉さん達が、成人式へと向かうため、今日は街中が華やかです。
「美波は何であれ着てないの?」
「えっ? だってまだ17歳だから」
「美波はお子ちゃまだなぁ」
「あんたも同い年でしょうが!」
数年後、私もあんな素敵な振り袖を着て、少しは大人なお姉さんになれているのだろうか。そんな自分の心配をよそに、隣には心配になる人が一人。
「なぁ美波。ところでですが」
「うん。どしたの?」
「……大きい声で話しちゃいけないと思うんだけど、その…………星人式ってヤバくないか?」
「だとしたらヤバいわね。一堂に介したらバレちゃうもんね」
ここちゃんの勘違いは今始まったことではないので、皆さん驚かないでくださいね。そして、ここちゃんを泳がすことにします。
「あの人達、全員何星人なんだろうな?」
「きっと新成人よ」
すると、宙を見ながらゆっくり瞬きをするここちゃん。
「神……星人。すごいな! 正月って何だかめでたいな!」
瞳の中にキラキラの星が見えそうな程、ここちゃんの中で何かが繋がったみたいです。
「そうね。ここちゃんとお正月っておめでたいもんね」
「だよな! だよな! こんなに短期間で神様とか仏様に遭遇することないもんな! あっ、手合わせておこう」
私のディスりにも気付かないまま、新成人の皆さんとすれ違う度に、ここちゃんは「おめでたい、おめでたい。ありがたや〜」と口にしながら手を合わせていました。
「泳がせるんじゃなかった。私のあほぉぉ!」




