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ここちゃん、神様パワー!?

 今日は鏡開きをするために、ここちゃんの家へ遊びに来ました。


「なぁ美波。何でわざわざお正月に鏡開くんだろうな。というよりもだ。だいたい鏡なんて閉じないよな! はははっ!」


 そう言いながら、ここちゃんは鏡台の扉を開けしめしています。


「鏡開きっていうのは、その年の神様が宿った鏡餅を食べて、ご利益をいただくって意味があるみたいだよ」


「またぁ?」


「またって何よ?」


「だって美波この間、七草がゆに仏様入れたって、全部仏様だって言った!」


 皆さんが仰りたい気持ちは分かります。でもここちゃんは信じちゃうんです。


「これはほら……神様が入ってるっていうか、神様のパワーをいただくっていうさぁ」


「神様パワーだと!?」


 どうやら文字通りパワーワードだったらしく、ここちゃんの目がキラキラとしだしました。


「どうやって食べるんだ? おしるこか? おしるこなのか?」


「ここちゃんのおしるこ好きはわかったから。え〜と……あっ! 包丁で切っちゃいけないみたい。木槌とかで叩いて割るらしいよ」


 ここちゃんは家中を探し回り、手に木槌を持って戻って来ました。


「じゃあ叩くぞ? 目隠ししたり、ぐるぐる回ったりした方がいいか?」


「それは違うの割るときにとっておいて」


「わかった。じゃあいっくぞぉぉ!」


 鏡餅目掛けて木槌が勢いよく振り下ろされた。


 バイ〜ン──


「み……美波。くすくす。今バイ〜ンて……くすくす……バ、バイ〜ンてなった!」


 ここちゃんの興味は、鏡餅を割ることから、バイ〜ンさせることに上書きされてしまいました。


 リズムを刻むように鏡餅を叩くここちゃん


「やっぱ神様パワーってすごいな!」


「鏡餅を打楽器みたいにしないの! それから神様はそこにパワー使ってないと思うわよ」


 そして、バイ〜ンとここちゃんの笑いが繰り返されるだけの時間が流れること数分。


「これが今年のバイ〜ン始めだな」


「同時に今日納めてちょうだいね」


 結局何しに来たのか分からないまま、鏡餅フェス2025はこの後も続きました。


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