ここちゃん、映画はお静かに!?
今日はここちゃんと一緒に、ずっと観たかった映画をレンタルしてきました。
「これすっごく面白いんだって。ネタバレ見ないように情報を避けるの大変だったんだから」
「サスペンスかぁ。まぁ俺なら冒頭十秒で犯人見つけられるけどね」
「十秒じゃ何も起きないよ」
こんな調子で見始めたのですが……。
「わかった! こいつだ! こいつが犯人だよ。絶対そうだ」
「ここちゃん、それ主人公」
「犯人みたいな主人公だな。みんな騙されちゃうな」
そうでした。いつもこうなんです。
「わかった! 犯人はこの映画に出てるやつじゃないか? そんな気がしてる」
「違う映画にこの映画の犯人出ないでしょ」
とても同じ映画を観ているとは思えなくなるときがあります。
「美波。この人死ぬ……ほらな? 犯人の仕業だからな。よく覚えておけよ」
ここちゃんの副音声は、サスペンスをコメディに変えてしまうようです。
「何だか面白くなってきちゃった。ねぇ、ここちゃん。このあとどうなると思う?」
「俺の推理だと、このあと……」
わざとらしくもったいぶるここちゃんに、映画より注目する私。
「一件落着みたいな感じになるかもしれないと思ってる」
「ふわっふわのコメントだなぁ」
「あっ、これだけは確信をもって言えることがある!」
「なになに?」
「この映画、映画館で観なくてよかったな」
「どうして?」
「だって美波超うるさいから」
「誰が言ってんのよ!」
どんなジャンルの映画でも、ここちゃんと観たら全てコメディになるということは、苦手なホラーも笑えるのではないかと思い。
「ここちゃん、今度はホラーもの借りて来て観ようよ」
「俺……お化け怖いんだよ。でも、美波がそう言うなら……俺頑張って観る!」
「頑張らなくていいんだよ」
後日、ここちゃんとホラー映画を観ることになるのですが、それはまたいつかお話します。




