歴史は好き時代劇は嫌い
漫才。 ゲラゲラコンテスト4投稿作品です。
二人「どーも、よろしくお願いします」
ツッコミ「突然なんだけどさ、俺、時代劇に出てみたいんだね」
ボケ「へえ時代劇、最近少ないよな」
ツッコミ「そうそう、NHKくらいでしかやってない」
ボケ「俺は好きじゃないね、時代劇。減ってよかったよ」
ツッコミ「えー、何でだよ」
ボケ「だって、話がいっつも同じじゃん。アンパンマンだってもうちょっと変えるぞ」
ツッコミ「ああ、それは否定しない。でもそこがいいんだよ」
ボケ「『否定しない』って前置きして話し出す奴は、だいたい人の話を否定してるんだよ」
ツッコミ「うるさいなー、弱きを助け強きを挫く。かっこいいだろ。水戸黄門、暴れん坊将軍、銭形平次、遠山の金さん」
ボケ「徳川吉宗が城下にあんな降りるかよ。享保の改革、質素倹約、大奥の女中半分以下に減らしたんだぞ。どこも暴れん坊じゃねーよ」
ツッコミ「インパクトがあって、いいタイトルじゃねーか」
ボケ「この桜吹雪が目に入らぬか、その前にあの顔で気づくだろ!、松方弘樹なんだから」
ツッコミ「お約束なんだよ」
ボケ「人生楽ありゃ苦もあるさ、毎週、楽に終わらせすぎなんだよ」
一人コントに入るボケ。
水戸黄門の演技をするボケ「助さん、格さん、やってしまいなさい」
後ろに忍び寄る悪者の演技をするボケ。水戸黄門に蹴りを入れる。
水戸黄門の演技をするボケ「くはっ!」
背中を切りつける悪者の演技をするボケ。
水戸黄門の演技をするボケ「ぎゃあ!」
手で血しぶきを表現するボケ。
ボケ「ブシュー」
助さんの演技をするボケ「ご老公!!」
水戸黄門の位置まで駆け寄る助さんの演技をするボケ。
助さんの演技をしているボケ「仕方ない。いったん引くぞ」
ボケ「そしてナレーション『瀕死の重傷を負ったご老公を救うため、助さん格さん一行は、7つ集めると、どんな願いも叶うという宝玉を求めて旅を始める』」
一人コントから戻るボケ。
ボケ「こういうのなら見たい!」
ツッコミ「あるか!、そんな展開!」
ボケ「俺は性格悪いから、史実と違うことや、きれいごとでまとめられるのが腹立つんだよ」
ツッコミ「『自分は性格が悪い』って前置きして話出す奴は、だいたい自分の性格が悪いだなんて思ってないんだよ。でも気を付けた方がいいぜ。そういう場合周りから本当に性格が悪いって思われてることが多いからな」
ボケ「うるせーな、じゃあ知ってんのか、織田信長は斎藤道三に会う時、イチモツ柄つまり男のシンボルが描かれた服着ていったんだぞ。前田利家はな徳川家を油断させるためにずっと鼻毛伸ばしてたんだからな」
ツッコミ「へぇ(トリビアの泉のモノマネ)」
ボケ「それなのに、NHKの根性なし、染谷にイチモツの服着せろ、唐沢寿明の鼻毛を伸ばせ」
ツッコミ「放送できるか!」
ボケ「せっかくだ。俺は今日この場を借りて、みんなに歴史の真実を伝えたい!」
ツッコミ「歪んでるんだよ、お前は!」
ボケ「水戸藩から馬に乗って、江戸や鎌倉に旅行してただけの奴を、世直しのために日本全国歩き回って、悪を懲らしめてたなんてことにした奴の方がよっぽど歪んでる!」
うろたえるツッコミ。まくし立てるボケ。
ボケ「信長は粗相をした茶坊主追い回して、台所の棚に隠れたから、持ってた刀で棚ごと坊主切り殺したんだぞ。そんでもってその刀に『へし切長谷部』とか変な名前つけて、秀吉にあげたんだからな」
ツッコミ「へえ」
ボケ「足利義満は美少年の役者にラブレター書いてたし、新選組は下級隊士たちの間で同性愛が流行って、土方歳三は困ってたんだよ。そういうの時代劇で全然見ないじゃねーか」
ツッコミ「まあ、確かに」
ボケ「上杉謙信も男色で有名だぞ。もしかしたら武田信玄にも思いを寄せていて、戦場で相手の旗見て興奮してたかもな」
また一人コントに入るボケ。
上杉謙信の演技をするボケ「風林火山、ワシの股の風鈴からも火山が噴き出し…」
慌てて止めるツッコミ。
ツッコミ「あ、もうやめとこ。どうもありがとうございました」