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いやー、楽しかった!

通称「泉の貴婦人」とも呼ばれる、めっちゃキラキラした鳥を3羽ほど捕まえた僕。この眩しい鳥、水の魔法が得意で、水による攻撃が殆ど効かないらしい。なので、水の魔術を使う(ということになっている)エッちゃんとは相性が悪い。


僕一人で狩りをするときはエッちゃんの許可を得ないといけないので、猛アピールしてなんとか許可をもぎとって本当によかった!


でもなんでこんなとこいたんだろ。普通は水場にいるのに。水の中をスイスイ泳げちゃうから、とっても捕まえにくい鳥なのだ。かなり深いところまで潜るし、そこから水魔法で直接攻撃してきたり水流を乱れさせたりしてくる。

それが空から降りてくるとは。なんて珍しい。ラッキー!



「こりゃあ、アシのおっさんが起きたら大騒ぎになりそうだな」

とボソッと言ったのは、ハキムさん、じゃなかったマキムさんでした。アシのおっさんというのは、まだ気絶してる商人のことだ。本名は、えーとたしか、アシンバ・タタなんとか。わかりにくい。

冒険者たるもの、依頼関係者の名前はきちんと覚えないととは思うんだけどさ。名前覚えるの苦手にゃー。


なんで大騒ぎかって?

この鳥、結構人気がある上に入手困難だそうで、なかなかに良いお値段がつくらしいです。だめだよあげないよ、僕らが食べるんだから!それにこの3羽分の羽根があれば、今まで捕まえた分と合わせて、僕に丁度いいサイズのふわふわクッションができそうだし。




さてマキムさんですが、魔素について聞くのは諦めたようだ。エッちゃんがすっとぼけ続けるから。大きくため息をついたあと、天を仰いで、両頬をバチン!と叩いてた。

痛そう。


気絶している尾行者の二人を監視しつつ、武器の手入れをしたり、持ち物のチェックをしたりしている。一応、そこそこ深い森の中だけど、そんなのんびりしてていいのん?

確かに気配はないけどさー。


とか思ってたら、こっちをちらっと見たエッちゃんにため息つかれた。釈然としないので、あざといポーズで反撃してやった。

こうかはばつぐんだ!




「つーか、本当にすごいな。カッツってのはこんなに強い魔獣だったのか?」


一通りやることが済んでしまったのか、手持ち無沙汰そうなマキムさんが話しかけてくる。僕をそんなに熱い視線で見つめるなんて、イヤン。

なでたい?なでてもいいのよ?


うちのサブはすごいんですよー、と適当に返事するエッちゃん。その顔は、僕のお腹に埋まっている。放せー。

エッちゃん、マキムさんとの会話が最低限だ。なんでそんなに愛想悪いん?普段はもっと穏やかーに依頼こなしてるのに。


(高位の冒険者に目をつけられるのは面倒なんですよ)


なるほど把握。のんびりの旅が出来なくなっちゃうのは僕も嫌だ。


とにかくまぁ、ほら、僕魔獣王らしいから。王様!王様!すごいのは当然でしょ?なにがすごいのかよくわかんないけどね!




さて、捕まえたこの鳥は冒険者組合でさばいてもらうとして。すぐ行きたいけど、アシさん早く起きないかなー。


と思ったら。

(〜〜〜〜)

今度はエッちゃんが僕のお腹に顔を埋めたまま、ボソッと呟く。するとなんと、4人が目をさましたではないか!

さてはエッちゃんも待つのが面倒になったんだな。うむ。




縛られてる二人はなんだか騒いでるけど、無視。アシさ〜ん!お届けものだよ!

エッちゃんが事情を説明しているあいだ、僕は、小さな冒険者と見つめ合っていた。


「かわいいー!お名前なんて言うの?触ってもいい?」

といいながら、手はすでに僕の背中を撫でている。うん、なかなか上手。可愛いでしょ僕。存分に愛でるが良い。

僕を撫でているのは、アシさんの依頼でマキムさんと一緒にここに来ているという冒険者の子だ。薬草摘みのお手伝いをしていた、7級冒険者の子。僕らの先輩だ。

さっきまで気絶してたのに、もう元気。若いなぁ。

ゴロンと横になって、なぁんと鳴いてアピール。はいメロメロ確定。


なんかマキムさんがすごい顔してるけど、どうしたんだろ。



はてさて、エッちゃんが手紙の受け取りのサインを頂いたところで、冒険者組合までいきますかー。


え?他の人達はどうするのかって?

知ーらない。



「あんたらは試験だろ?こっちは気にしなくていい。もうすぐ俺の仲間たちも来る予定だ、あの二人はそいつらと運ぶからよ」


ほーん。

どうやって居場所しらせてるんだろ?

まっいいけどねー。



マキムさん達3人に手を振って(しっぽを振って)、僕らは来た道をもどった。

アシさんだけは名残惜しそうにこちらを見ている。そんな顔してるのは、僕が捕まえた鳥が欲しいから。だめだよ?お金払われてもこれはあげないから。

じゃ、ばいばーい!

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