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ど、どうしよう。

なんかめっちゃにらまれてるんですけと!!

えっ僕なんかした?

あの、そこ、人が倒れているように見えるけど、だいじょうぶ…?


いち、に、と、あっちもいる。さん、し。四人も気絶してるの?え?何があったの?



岩の上で思い切り遠吠え(?)した僕。そのあと目に入ってきたのは、倒れている人達と、今にも倒れそうなほど顔色の悪い人だった。え?


顔色が悪いのは、膝をついている男の人。ちょう険しい顔で僕を凝視していて、見た目は冒険者っぽい。倒れている二人の人物を庇うように片手を広げ、もう片方にはナイフを構えてて、てええ!?


もしかして、僕が襲うと勘違いしてるの?

いやいや試験だよ、お手紙届けに来ただけだよ!

いやお手紙僕もってないけど!


えっど、どうしよう。

エッちゃん!助けてエッちゃん!エッちゃーーん!



首を無駄に上下に動かしたり、後ろを振り返ってみたり、岩の下の方を覗き込んだり、倒れてる方々を見つめてみたり。

お、落ち着こう僕。こういうときは毛づくろいだ。


しぺしぺ。しぺしぺしぺ。

あぐあぐ、あぐ、しぺしぺ。

胸元の毛がちょっと乱れてるなー、しぺしぺ。



ふー。

いや、そうじゃなくて!



あの人たちほっといて大丈夫なのかな?あんなにたくさん倒れてるなんて、何かに襲われたの?それとも毒とか?えっ大丈夫なのかな。どうしよう。助けたほうがいいんだろうか。

でもなんか近づくと余計警戒されそうだ。


どうしよう。



そうしてオロオロすること暫し。

エッちゃんが、奥の方に見える小道から現れた。

遅いよー!




「まったく、興奮しすぎなんですよサブは」

のんびり歩きながら現れたエッちゃんは、あくびをしながら言った。背中の荷物をおろし、大きく伸びをして、髪がサラリと流れる。ここまで長い距離を歩いてきたようにはとても見えない、小綺麗な身なり。ううん、冒険者っぽくない。

エッちゃんはやっぱりエッちゃんだ。



っと、そんなことどうでもいい!エッちゃん、この状況なんとかして!!


まったく、とつぶやくと、エッちゃんはナイフを構えた冒険者に声をかけた。


「えー、そこの方、ハキムさん?マキムさん?あれアキムさんでしたっけ?とりあえず、そのナイフしまって大丈夫ですよ。もう魔獣は来ませんし、そこの岩の上にいるのは私の相棒ですので」


「…あの魔素はなんだ」


「私達は冒険者の昇給試験で、そこにいる商人の方宛の手紙を預かっているんです。起きたらサインを貰えれば、退散しますので」


「あの魔素は」


「しかし困りましたねぇ。気絶されてるとは。いつ頃目が冷めますかね。ハキムさんわかります?」


「あの魔素は!!」


冒険者のセリフをシカトし続けるエッちゃん。え、魔素ってなんのこと?なんかあったの?

冒険者の方激オコしてますけど、説明はしないの?ていうか僕が知りたい。


ちらりとこちらに視線をやったエッちゃんは、ふかーくため息をついた。


「…私の相棒は、とても強いんですよ。あんな魔素、気になりません。」


えっめっちゃ気になるんですけど。



(あとで説明してあげますから、今はとりあえず落ち着いて。ゆっくりこっちに来てください)


小声で話す声を僕の耳が拾う。とりあえず、言うとおりにしよ。

てし、と岩の上からおりて、てててっとエッちゃんのところに向かう。エッちゃんの足元にお座りしたら、僕を抱き上げて、エッちゃんはハキムさん?に話しかけた。


「ほら、この子は大丈夫です。魔素のことはもういいでしょう、それよりほら、尾行者の方々をなんとかしちゃいましょう。そっちで倒れてる二人、目を冷ます前に縛っちゃいましょう」


あ、そこの二人、尾行してきてた人だったのね。

一人足りなくない?


エッちゃんに促されて、ハキムさんは後ろに庇っている二人からそっと離れ、残りの二人に近寄った。多分一人は試験官かなんかで、もうひとりは僕を狙ってた盗賊。どっちがどっちかな?

くんくん。たぶん、左の女の人が盗賊かな。なんか臭いし。

あれ、ハキムさん、どっちも縛り上げたぞ。あら?僕の予想外れたのかしら。



まっ、いいかー。

これで、商人の人が起きたら、手紙渡してサインもらって冒険者組合へ行かないと。あーーまだ先が長いなぁ。もうおうち帰りたい。おうちないけど。昼寝したい。




時間が空いちゃった。あー、休憩しよ。

ぐるんとまるまって、いわゆるニャンモナイト。いい気分でうとうと。うーん、いい風。

しっぽの先っちょがゆらゆら、片耳がピコピコして、うん?


ピコン!両耳がたった。エッちゃん、いるよ!


あれ、美味しいあいつがいる!

なーん!なーん!とエッちゃんに鳴いてアピール。あれ、あれ捕まえようよ!













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