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34 ダンジョンとアーティファクト


川沿いは、次から次へとサハギンが現れ、危険と判断したゼンジたちは、モヤの奥に見える木を目指して、大きな木を後にした。


川から離れたゼンジは、スキルにロックがかかる音を耳にして安堵した。


「なあメロン、ブラックドラゴンが側近ってどういう事だ?それとアーティファクトって何だ?」


『水に濡れて喋れない!』


「しっかり喋ってるだろ!マスタードラゴンは色々と知ってそうだが」


『水が耳に入って聞こえな〜い』


「無視をするな!」


『水が怖いよ〜。木の下に戻ろうよ〜』


「ポーラ、アーティファクトの事を知ってるか?」


『諦めるな弱虫!どうして直ぐに諦めるんだよ!男ならしぶとくあれ!』


「ポーラ、知ってる事を教えてくれ」


『無視をしない!』


「何も聞こえないな〜あれ?弱虫の泣き声がする」


『真似するなよ!』


「ポーラ頼む」


『むっ!!』


「はい。じゃあメロンちゃん。お願いできますか?」


『ポ〜ラ〜!ゼンジもポーラを見習うんだぞ!よし!木の下まで引き返すんだ!』


「川の側は危険だ!戻らん!ポーラ頼む」


『ぐぬっ!』


「わかりました。アーティファクトとは、高度な技術や、未知のスキル、古代の魔法などによって作られた物を表す言葉です。一説によると、古代の遺物とも言われています。

アーティファクトには、ゼンジが使用したような強力な武器や、防具、アイテム等、様々な物が存在します。

冒険者によっては、アーティファクトだけを探し求めている者もいる程です。それを一つ手に入れるだけで、巨万の富を得ることが出来るからです」


「そんなに凄いものなのか?それは作れないのか?」


「どんなに優秀な方たちでも、決して作ることが出来ません。いつ、誰が、どこで、どのような目的で作ったのか一切不明なのです。

噂では、古代神々の戯れ、不死者の秘宝、ダンジョンの産物など、まことしやかに囁かれています。中でも最も有力なのが、異世界の創造物ではないかということです」


「異世界!?」


「はい。現にゼンジも、私たちが見たこともない武器を錬成したでしょう?ダンジョンもそうです。アーティファクトの殆んどが、ダンジョン内で発見されるのです。しかも、深層に行けば行くほど、発見する確率が上がるそうです。それと同時にモンスターも強くなり命の危険も上がりますが」 


「ダンジョンって、ゲームのRPGで言う迷宮の事か?」


「あーるぴーじー、は知りませんが、その考えで合っていると思います。ダンジョンは各所にあり、多種多様な階層や、トラップ、モンスターが存在します。不思議なことに、宝箱を取り尽くしても、時間が経つとまた出現します」


「どう言うことだ?誰かが置いていくのか?」


「いいえ。これも推測なのですが、ダンジョン自体がモンスターだと言う人もいます」


「ダンジョンが、巨大なモンスターだとでも言うのか?」


「そうです。その理由の一つが、ダンジョンで命を落とすと、いずれダンジョンに吸収されるからです。アイテムなどを餌として、生物を誘い込み、捕食しているのだと言われています」


「それのどこが異世界の創造物なんだ?」


「それはもう一つの理由です。ダンジョンが異世界と繋がっている可能性があるからです。実はゼンジの他にも異世界人は存在します。その中にはダンジョンから出てくる人もいたそうです。その人たちは、何故かアーティファクトの使い方や、それに付随する言葉を知っているそうです。先程のゼンジが言ったハッポウも、その一つだと私は思います。ですからゼンジも気を付けてください。異世界人は、各国がこぞって奪い合います。強力な軍事力になるから」


「……ダンジョンが……地球と繋がってる?」


(あるいは女神様が転移させる先は、ダンジョンなのかもしれないな……自分は失敗したんだろうけど)


「あまり期待はしないでください。誰も証明が出来ないので、憶測でしかありません」


『我が証明しようか?』


「何だ?メロンは何か知っているのか?」


「メロンちゃん?」


『我が証明するのはゼンジの事だよ。ゼンジは異世界人だよね?』


「聞いていたのか!?あっ、いや、な、何を根拠に、そ、そんな事を言っているのかい?」


『貴様たちゃ!今の今まで我のことを忘れてたでしょ!二人で夢中になって、楽しそうにニコニコペチャクチャ喋って!聞いていたのか?じゃないわ!聞かないようにしても、聞こえてくるさ!今の話をまとめれば、ぬいぐるみでも気付くわ!』


「サー。ナニヲイッテルノカサッパリデス」


『はぁ。今更隠さなくてもいーよ。別に驚かないよ』


「異世界人って、そんなに特別じゃないのか?」


『特別だよ。けど、我は異世界人に会うのはゼンジで二人目だよ』


そう言うとメロンは元気が無くなった。


「何だって!?どこで会ったんだ?どんな奴だ?自分みたいに黒髪の日本人なのか?」


しかしゼンジは食いついた。


『時が来たら話してやろう』


メロンはいつものように、冗談を言ってはぐらかそうとした。


「何格好つけてんだよ!勿体ぶらずに教えてくれ!」


メロンは途端に表情が暗くなった。


『本当に言えないんだよ……口に水が入ってさ』


声のトーンも低くい。


(しまった。きっと悲しい過去があるんだな……辛い別れがあったんだろう……すまんメロン)


「分かった。言えるようになったら教えてくれ」


ゼンジの言葉に意表を突かれたメロンは、呆気に取られ、その後笑顔を取り戻した。


『男は諦めが肝心だからな!』


「諦めるなとか、諦めろとか。どっちだよ!」


『どっちもだよ』


メロンはいつものメロンに戻っていた。


(話を変えないとな……CPOと話そうかな。そうだ、レベルがあがったよな?)


「レベルが上がったから、ちょっと確認するよ。ステータスオープン」


目の前に現れたステータスウィンドウには、新たなスキル小銃、銃剣、手榴弾、射撃術Lv1、そしてバレットタイムLv1の表示があった。さらに小銃の攻撃力は2800と記されていた。ちなみに警棒術と盾術のレベルが、それぞれ一つ上がっていた。


(小銃強っっ!!桁が違う!)


「さっき見た時より増えてる!小銃と銃剣はセットで覚えてたから、新たに手榴弾と、射撃術、それにバレットタイムを覚えたみたいだ!」


(ナイフはもっと早く欲しかったな)


【銃剣とは小銃の先に装着する、ナイフの事である】


『スキルは、いろんな条件で覚えるものなんだよ。例えば、種族や職業により固定されてるものは、レベルが上がれば自動的に覚えるんだ。他には意識したり、訓練し続けると覚える事もある。今回ゼンジが覚えた射撃術は、弓使いや、盗賊が覚える基本のスキルだよ。基本と言っても、本来なら短期間で覚えるスキルじゃないから、意外と才能があるんだろうね』


「意外は余計だよ!多分、地球で訓練してたからじゃないか?」


『チキュウ?ああ、異世界の呼び方だね。そこで使ってたのか。そんな事はどうでも良いとして』


「慣れてきたぞ。毒耐性でも覚えたか?」


『何とかリュウダンとバレットタイムは、きっとレア物だよ。我も聞いた事が無いからね』


「そうかもな。手榴弾は使えるぞ!それにバレットタイムは多分、時間がスローになるあれだよな?あれを使いこなせれば戦闘も有利になりそうだ」


『他にも、生まれつきだったり、アイテムを使って覚えたり、継承される珍しいモノもあるんだ。魔法も初級だと、属性に合わせて訓練を積めば、誰でも覚える事ができるんだよ』


「それは本当か!?マジックポイントが無い自分にも、覚える可能性があるのか?」


『ドンマイ』


「……期待させるような事を言わないでくれ」


『魔法が付与された装備品で我慢するしかないよ』


「え?それだと使えるのか?」


『武器や防具、そしてアクセサリーを装備する事で、それに付与されている、スキルや魔法が使えるものもあるよ』


「是非欲しい!!希望が見えてきた!」


『スキルは魔法も合わせると、多岐に渡るんだ。条件が揃えば覚えることもあるから、何か欲しいスキルがあれば挑戦してみるのも手だよ。そして、スキルによっては熟練度があって、使い続けて技術を上げると、更に上のスキルに成長する事もあるんだ』


「そうか!よ〜し何に挑戦するかな!」


『まずは、木の下が好きスキルを覚えたら?』


「そんなもんいるか!!」


(女神様、こちら自衛官、

転移先はダンジョンだったのですか?もしかしてそこには、高性能なアーティファクトもあったのですか?、どうぞ)

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