かによって探偵
探偵理氏は頭を抱えていた。
謎は密室。穴はない。絶対に開くことはない。
理氏は人A〜D及び犯人Xに聞き込みをした。理氏の苦悩は続く。
「全くわからない。これは完全に不可能な犯罪だ。」
一同は集められた。今から犯人が指摘される。理氏も召集を受けた立場だった。
ここで犯人が指摘される。探偵小説としては一般的な流れ。探偵がぽかんと口を開けていること以外は。
犯人は貴方だ。犯人X。
「根拠を示せ。」
理氏は苦虫を噛み潰しながら誰にも聞こえない声で呟く。
それは私が犯人Xと名付けたからだ。密室の謎もアリバイも関係ない。ここで人が死んだかも定かではない。
探偵は神ではない。彼は得たものでしか推理ができない。
私は違う。必要なものは生み出せる。私しか知り得ないこともある(探偵小説としては欠陥だが)。
小説においては書き手は絶対である。それがいいかどうか別として。
この文章で私は神だ。なぜなら私がそう決めたから。
読んでくださりありがとうございました。
この作品はTwitter(@logic_dept_)
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普段はミステリ以外はほとんど読みません。ミステリも少ししか読みません。
ミステリは一般に文学でないというのが個人的な意見ですが、今回は文学を絡めました。
是非感想をお願いします。