結晶の底で
カランコロン
カランコロン
おや、目が覚めちゃったかい。ここは退屈だろうから、夢に戻りなさい。
次は雪山を作ってあげようね、一緒に雪だるまを作ろうか。
うん?眠りたくないのか。
ああ、そうだね。結晶が綺麗だね、星空みたいだ。
うん
夜の空に浮かぶ星っていうのに似てるんだよ。
太陽が沈んだ後、暗闇の空に煌めく無数の光。
君も好きなんだね。皆も好きだったんだよ。
魔法の絨毯に乗って夜の散歩をして、絨毯の上にお茶とお菓子を食べて、寒かったら皆で毛布を被って星を見た。小さな子達は意外に夜更かしでね、大きな子達はすぐに寝ちゃうんだよ。
けど、セキとヨクはずっと起きてたな。
おおぉん
あいつか……。大丈夫、大丈夫だよ。
怯えないで、アイツは見えない。もう、アイツは考えたり、何かをしたりできない。
こなたと君を貫いた時、そこまで堕ちたから、もう君を傷付けたりしないよ。
そんな事が出来ない存在になった。
おおおぉん
……今日は騒がしいな、堕ちてすらも鬱陶しい奴だ。静かにして安らぎを与える事すらできないのか。
死の輪廻から外れるとは、ここまで憐れなものか。
ああ、怖がらないで。こなたがいる、こなたが護るから大丈夫。泣かないで、そうだ昔話をしてあげよう。昔、昔、こなたと君のお兄ちゃん達との出会いを話そう。
さあ、泣き止むのはお止め。これは泣きながら聞くような話じゃない。笑いながら聞く話だよ。