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普通じゃない子  作者: 東雲光流
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ある日

クラスの担任の先生に言われた心無い一言


「あなたは普通じゃない」


僕には意味が分からなかったんだ…






「ほら!やっぱり

あなたは普通じゃない。」


友達とふざけていたら、急に先生が僕をつかんで怒鳴った。


みんながクスクス笑ってる。


「さぁ!みんなでこの子の悪い所を言ってみて!」


みんな笑いながら

僕を指差して言うんだ。


「授業中ふざけてうるさいです!」


「帰れ!」


「もうお前なんか学校にくんな!」


先生は満足そうに微笑んで僕に言ったよ。


【 わかったわね?普通にしてなさい。みんなが迷惑よ。 】




普通?

普通ってなに?


ふざけていたのは僕だけじゃないのに。


今まで一緒にふざけてた友達の気まずそうな顔も

みんなのクスクス笑う声も

授業を進める先生の話も



何も聞こえないくらい

僕は一生懸命考えた。


だけど

わからなかったよ。


普通じゃないってどういう意味なんだろう?


普通の子ってどんな子なんだろう?



授業中ふざけていたのは、いけない事だね。


それはわかったよ。


もうしません。



「学校にくるな」って、言われた。


どーしよう?

お母さん怒るかな?

普通じゃない僕を嫌うかな?


明日から【普通の子になります】って言いたいけど、

“普通の子”がよくわからないよ。


【この世に同じ人間はいない。たった1つの大切な命。】


前に先生が言ってた。

それはわかるよ。


だから、イジメや自殺はいけない。


戦争もなくさなきゃ。


でもね、

今日先生が言った

【普通じゃない】

の意味がどうしてもわからないんだ。



悲しい気持ちで、

いつもの道をとぼとぼ歩いて家に帰った。


家に帰ればお母さんがいる。


お母さんは何でも教えてくれる。


だけど今日のは訊けないな…。


だって、お母さん哀しむに違いない。


僕だって…

意味がわからない僕だって、

こんなに悲しくなるんだから。





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