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主婦の暇つぶし  作者: oga
15/17

事件の果て

「尾田先生!」


 しかし、呼びかけを無視し、一心不乱に漫画を書き続けている。

だんまりの相手に、さち子は痺れを切らした。


「聞いてるんですかっ」


 肩を掴み、グイとこちらに引き寄せた、その時。


「うっ……」


 思わず、さち子は腕を引っ込めた。

覗き込んだ顔は、目が血走り、原稿一点を凝視していたからだ。


「彼の心は、ここにはいない」


 後ろから声がし、振り向くと、先程の女性がいた。

壁にもたれかかり、タバコを吹かしている。


「……どういうことですか?」


 さち子が問い詰めるも、女性は虚空を見つめている。

そして、語り始めた。


「漫画家っていうのは、常にプレッシャーに晒される職業なの。 特に彼の場合は、一番面白い作品を書き続けなければならない」


 トップに君臨し続けることを義務付けられたこの漫画家は、自分の限界以上の物を生み出し続ける内に、心が崩壊してしまったとのことだ。


「全部、あなた達のせい。 あなた達の面白い物を読みたいという欲求は、底なし。 だから、彼を救おうと思ったのよ」


「あなたが爆弾を?」


「……でも、しくじっちゃったみたいね」


 女性は、吸い終えたタバコを壁に押しつけると、ふぅ、とため息をついた。


「見逃して、ね?」


「……ふざけないで下さい」


 さち子は、フライパンの柄を握りしめた。


「主犯のあなたを、先に連行します」


「……簡単に捕まえられると思ったら、大間違い。 あなた達3人とも、沖縄の海に沈めてあげる」


 女性はマモル、鈴子をスルーして、1階に向かおうとした。


「ま、待ちなさいっ」


 その時だった。

ガアン、という耳障りな音がし、女性が階段から転がり落ちる音がした。


「……」


 女性は背中に銃弾を浴び、ピクリとも動かない。


「キャアアアアアーッ」


 鈴子が叫ぶ。

さち子も、何が起こったのか理解が追いつかず、いたずらに心臓の音だけが高鳴っていた。


「……マモル?」


「ごめん、さち子。 でも、これで手柄は僕の物だ」


 ガシャン、とショットガンのレバーを引くと、続け様に鈴子に発砲。

血しぶきが壁に飛び散る。


「……あ、あなた、何考えてるの?」


「僕が警察になるには、僕の手で事件を解決しなきゃいけない。 そして、手柄は誰にも渡さない」


 ガシャン、と再びレバーを引き、ためらいなくマモルは引き金を引いた。 


 


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