表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
90/354

第9話 太陽の都―3

 その後の朝食の席にて。


「無理ですわ」


 デンスの反応は冷ややかなものだった。


「そ、そうなの?」


「精霊の力を元に魔法を行使する私たちからしてみれば、悪魔や死霊の力を行使する魔導士は邪道ですもの。派閥が違う、とお考えくださいまし」


 いつものデンスと違ってかなり険しい表情である。

 魔法のこととなると、デンスは真剣そのものだ。


「じゃあ、パーティに戻るって言って別れちゃったけど、パメラもそういう術は使えないのかな」


「恐らくは。変な機械は使ってましたけど、あの子も私と同じく、精霊使いだったはずですわ。というか、どうしてあの子の名前を出すんですの!? シュー様には私というものがありながら!」


 キーッとムキになって怒るデンス。

 確かに、デリカシーがなかったかもしれないけど……。


「あ、お前あれだろ? シューはその姿の方が可愛いから、わざとそう言ってるんじゃね?」


「な! 失敬なことを言わないでくださいまし! 確かにそれはそうですが、シュー様が本気でそうお考えであれば、私はその決意を止めることはしないですわ!」


 そ、それはそうなんだ……。


 ナギに横槍を入れられ、デンスは頬を膨らませてご立腹の様子である。

 だが、ぼくがじっと見ていると、やがてデンスはため息をついて肩の力を抜いた。


「……そんなつぶらな瞳で見つめないで欲しいですわ。シュー様が望むなら、私も協力はしてみます。王都の近くにスコル教の大聖堂がありまして、そこなら多くの魔導士がいるはずですもの。クレリックや、もしかしたら召喚士サモナーも所属しているかもしれないですわね」


「本当に!? ありがとうデンス、感謝するよ……。……って、ちょっと待って」


 デンスの協力を得られて喜んでいたが、今、どうしても聞き逃せない一言があった気がする。


「その、召喚士ってなんなの!?」


「え? ……まあ、魔導士の中では常識ですけども、確かにマイナーな分野ですし知らなくても無理はないですわね。召喚士というのはその名の通り、精霊や天使、悪魔など、他の種族を召喚する魔法を行使する者のことですの」


「それって、例えば……人間も召喚できる!?」


「人間? そんな話は聞いたことないですわ。何かしらの魔法的な契約がないと、普通は召喚できないと思いますわ」


 ぼくの食いつき方に、デンスは少し面食らっているようである。


「シュー、ちょっと落ち着けって」


 ぼくを制するように、ナギは鋭い声をかけてきた。

 あまり深く突っ込みすぎると勘付かれると思ったのだろう。


「まあ、それなら一旦ルクスパレスに入る前に解散して、現地で合流すればいいんじゃねぇの? どうせ、この人数で一気に入るのはリスキーだと思ってたんだ。各自、身元を隠しながらあとで落ち合った方がいい」


「そういうことなら、俺の知ってる宿があるんだ。そこで会うのはどうかな――」


 かくして、ぼくとナギは一足先に、王都ルクスパレスへ入国することになったのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ